旧高雄港駅
台湾の鉄道遺構<2>
2023年5月11日
この日はホテルに荷物を預けてこちらにやってきました。
MRT市議会駅から西子灣駅までというわずかな区間です。2017年1月に隣接する駁二藝術特區を訪れた時にも、このバックヤードはちょっと覗いてみました。
ですが、その時は高雄のLRT<*1>がここまで来ていなかったので、駁二の方を中心に見て歩いたというわけです。この後、LRTにも乗ってみようという目的もありました。
以前来た時よりも、このバックヤードには車両や機関車が増えているように思いました。
まあ、いずれも動かない静態保存なんですが。
旧高雄駅のすぐ脇をLRTの線路があります。このように、新旧の車両が並ぶことも頻繁に起こります。
ホームの駅舎を利用して、ミニ鉄道博物館があります。達筆ですね。「打狗」とは現在の高雄<*2>の旧名となります。
入場は無料。入ると係の女性が日本語のパンフレットを出してきて、覚えたてのような日本語で簡単な説明をしてくれました。
さて、この駅は高雄臨港線の貨物駅でした。開業は1900年で、打狗駅として縦貫線の終着駅であったことから、かつては旅客も利用していました。やがて、高雄駅と改称。その後、1941年に現在の高雄駅が開業し、こちらは高雄港駅と改称されました。
臨港線は2008年に廃止され、この駅も営業を停止しました。
なお、この周辺は哈瑪星と呼ばれていますが、戦前の日本語の愛称「濱線」が由来です。旧高雄港駅の向いにあるLRTの駅名が哈瑪星です。
旧高雄港駅のプラットフォームはかなり荒廃した感じがありましたが、この駅舎内は手入れがよくされています。
台湾はアジアでは珍しく日本統治時代の建造物をかなり残した地域で、台鉄の古い駅舎もかなり残されています。後で、台鉄の台中駅が高架駅に変わっていたのを自強號から確認しましたが、古い駅舎は残されていることがわかりました。
また、高雄駅も前回来た時、工事中でその後、地下駅になっていましたが、かつての駅舎は少しづつ移動しその建物も、再利用されるとか。
そのような土地柄ですので、我々日本から訪れたツーリストにも、なんとなく優しい雰囲気が伝わってきます。
台鉄も高鐵ができたからといって、どこかの国のように廃線にするとか、第三セクターに営業を任せるということはなく、うまく生き残っていますね。
さあ、午前中にもうひとつ鉄道遺構を訪ねなくては…。先を急ぎます。
注釈
<*1>高雄捷運環状軽軌。2015年開業。着々と延長され、現在はMRTと3か所で接続している。悠遊卡も利用できるようになりさらに便利に。なお、プリペイドカード利用の場合、一律10元というのは嬉しい料金です。
<*>もともとは打狗(ターカウ)村から発展して現在の大都市になった。日本統治時代に読みの近い現在の高雄に改称された。もともとの意味は、マカタオ族の言葉で竹林を意味するものだったそうで、それを清朝時代に台湾語の読みにあてたものなので、かなり変化したことになります。
台湾のナニコレ
なぜか台北車站北側にのみ存在する禁煙区。緑のラインの内側です。
地方ではあまりなかった気がします。
☆今回の画像はすべてOlympus OM-D E-M10/ED14-42mmでした。
人気ブログランキングに参加しています。バナーをクリックしていただけると嬉しいです。コメントもお待ちしています。
| 固定リンク | 0
「Vehicle/Airplane/Ships」カテゴリの記事
- 台湾とタイの交通系ICカード(2024.02.15)
- 久々のタイ国際航空(2024.02.06)
- タイの交通機関をまとめてみた(2024.01.24)
- どっこい生きてるフアラムポーン(2024.01.14)
- 味気ない新駅(2024.01.11)
「202305 Taiwan Railway West」カテゴリの記事
- 台湾の中の日本(2024.03.02)
- 台湾の日式咖哩新事情(2024.02.22)
- 台湾ゆるキャラはさらに続くのである(2024.02.07)
- 平渓線に乗る(2023.09.27)
- 高雄ライトレール(2023.09.23)
コメント
ここは少しうろつきましたぁ(笑)。
投稿: 伊 謄 | 2023年6月10日 (土) 13時19分
伊 謄さん
さすがです。
ちなみに、いつ頃ですか?
投稿: ヒョウちゃん | 2023年6月10日 (土) 17時45分
1999年初めでした。
投稿: 伊 謄 | 2023年6月10日 (土) 19時59分
伊 謄さん
ということは、臨海線がバリバリ営業中ってことですね。
それは、すごい。
投稿: ヒョウちゃん | 2023年6月10日 (土) 20時34分