虎尾のサトウキビ運搬線
台湾の鉄道遺構<5>
2023年5月14日
<OLYMPUS OM-D E-M10/ED14-42mm>
斗六<*1>から虎尾<*2>にやってきました。
この日は日曜日でバス便<*3>が少なかったです。画像はバスを降りたあたりで虎尾の中心部です。かつての消防署ですが、誠品書店とスタバが入ってます。
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バスを降りたあたりから中山路を進むと、こんな踏切が現れます。
その先の線路は土砂で埋もれています。まるでミャンマーかフィリピンのよく脱線するという鉄道みたいですが、実はここをサトウキビ列車が走るのです。
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もっともその列車が走るのは、収穫時期も関係するのでしょうが、12月下旬から3月までです。
その時期にはここも整備されると思われます。
ということで、5月のこの時期は踏切は常時開いていて、線路側には侵入されないようにチェーンがかかっていました。
列車が走るころには、ここに保守の人が立ち、きけば列車の通る時間を教えてくれるのだそうです。
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こちら側は台糖の虎尾製糖所になります。
この馬公厝線は、台湾糖業鉄道が運行する唯一の専用線となります。かつてはかなりの専用線が台湾各地にあり、一部では旅客も扱っていました。
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製糖所の脇を進みます。その壁には虎尾の歴史のようなものが。写真付きの印刷ですね。結構これはすごい。
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その手前の歩道です。
ナローゲージ(軌間762mm)の線路が残されていますね。さらに進みます。
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旧虎尾駅の駅舎が残されていました。
内部は土産物を販売していたり、カフェになっています。
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駅舎の工場側が望めました。無蓋車の緑のカバーの下はサトウキビでしょうね。
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おそらく動かないだろうと思われる蒸気機関車も構内にはありました。
虎尾駅の雰囲気づくりの一環でしょうかね。
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こちらはチケット売り場ですね。路線図もあります。
この虎尾からは斗六や斗南、北港、西螺にも路線が伸びていました。旅客扱いは1978年に終了したようです。
ということは、この虎尾は戦前の大日本製糖から戦後の台湾糖業の中心地ということになりますね。ちなみに、雲林県は台湾の中でも農業が盛んです。
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虎尾駅からさらに進むと、台糖の虎尾製糖所の入口が現れました。
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さらに別の蒸気機関車が静態保存されていました。
さらに進みます。
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立派な鉄橋が現れました。ここは歩いて渡ることができます。
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途中まで歩いてみました。
カンチャナブリーのクウェー川鉄橋みたいに、列車は来ませんので人間用の待避所はありません。
かつては素通しであった隙間も鉄製のネットで覆われていますので、安全です。また、鉄橋の下は川が流れているのですが、カンチャナブリーほどは高くありませんので、恐怖感もないでしょう。長さは437メートルだそうです。
レールが複数見えると思います。外側の2本はガイドレールでしょう。ここに車輪が乗ると鉄橋と干渉するのでここを通ることができません。
中央の3本ですが、三線軌条<*4>といい、ゲージの異なる列車が通ることができるようにしたものです。この鉄橋は斗六のひとつ嘉義寄りにある斗南に向かうものだったようです。…ということは、台糖の鉄道でも1067mmと思われる機関車と貨車、客車があったことになります。
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虎尾製糖所の向かいにはかつての職員の宿舎が残り、その家屋は日本式のものだったようです。こちらは、帰国後に気づきました。
今回の訪問では台糖関連の鉄道関連はここで終了です。
注釈
<*1>雲林県が設置されたとき、斗六と虎尾が行政の中心を争ったらしいです。斗六には県政府を置くことになりました。斗六は「市」になります。
<*2>虎尾には地方法院を置くことで雲林県の争いは解決したとのこと。虎尾は「鎮(町または村)」扱いですが、中心部は日本の地方都市くらいの感じです。
<*3>「地球の歩き方」によれば高鐵の雲林駅が新設され、アクセスが良くなったとあります。高鐵雲林駅または台鉄斗六駅から虎尾と西螺にはバス便が割とありますが、虎尾と西螺の間はアクセスが良くないです。
<*4>日本では箱根登山鉄道と小田急小田原線の風祭車庫と箱根湯本間など少数の例があります。安全上の理由もあり、消滅しつつあります。台湾では虎尾鉄橋だけとのことですが、すでに廃止路線で現役の路線では存在しません。
台湾のナニコレ
<CANON PowerShot SX730 HS>
台糖虎尾製糖所の入口にあった古いポスターです。
おわかりと思いますが、中華民国軍への勧誘ですかね。かつては徴兵制だったのですが、2018年に志願兵制に変更になったようです。
…にしては、ポスターが古めかしい。街中でもこういうものは見なかったです。
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