集集線に乗る
2023年5月15日
台湾の記事に戻ります。
この日、午前中に集集線<*1>に乗ることにしました。
<*1>二水ー車埕まで、29.7kmのローカル線で、単線。非電化。
斗六から台北方面へわずか3駅、二水に到着です。ここで乗り換え、集集線のホームに移動します。上り(台北)方面から下り(高雄)方面のホームに移動するのですが、地下道をくぐることになります。
しばらくすると、彰化方面から紫煙車<*2>がやってきました。すでに客が乗っていて、サボ<*3>を見ると、彰化から運行していることがわかりました。すでに、台湾をぐるっと取り巻く台鉄の幹線はすべて電化が完了していて、架線のある路線をディーゼルカーが走るのはかなり珍しい例となります。
<*2>文字通りディーゼル車両。
<*3>サインボードの鉄道用語で行先票のことです。幹線を走る電車ではほとんど方向幕やデジタルの表示になっていますが、このタイプは金属製の札を差し込む昔ながらのタイプです。
車両の編成は短く、3両ほどだったと思います。ひとつの車両の中間にはこのような仕切りがあります。台湾風とでもいうのか風情があります。
ですが、この形には見覚えがあります。それは、2016年に高雄ー台東と台東ー台南間で乗った自強號にもありました。詳しくいうと、南廻線がこの時は非電化だったので、ディーゼル仕様の自強號が走る必要がありました。
よく観察してみると、窓の上に座席番号の表示があります。この車両はつり革も付いていて、座席もロングシートとなっていますが、おそらく、座席をクロスシートからロングシートに改造し、ドアの位置も変更することで、ローカル仕様にしたものだと思われます。そのためか、立派なトイレも付いていて、冷房もギンギンに効いていました。
車両の有効活用ですよね。台湾のローカル線はいずれもこのタイプでした。乗り心地もいいし、エアコンも効くので乗っていて不満はありません。
全線が単線のため、途中の濁水ではすれ違いのため、タブレット交換が必要です。
たまたま、乗っている位置がよかったのかタブレット交換を見ることができました
このような沿線案内のような表示もありました。しかし…。
途中の集集で追い立てられるように降ろされてしまいました。
この時はチケットを購入せずに悠遊卡で乗車していたので助かりました。
どうやら2021年8月に起きた土砂災害により、ここから先には行かないようです。駅の改札で何やらまくしたてられましたが、「代行バスはあっち」というように案内していたようです。
そのためか、乗客が異様に少なかったです。観光客はほとんどバスを利用するのでしょう。
ま、自分の目的はローカル線を含めて台湾の鉄道に乗りつぶすことにあったので、代行バスを使ってまで終点に行くことはしませんでした。
その代わり、ここで折り返しの列車が出るまで時間つぶしをする必要がありました。
駅のある集集鎮は日月潭にも近く、沿線では比較的規模の大きい観光地のような趣はありました。
駅前広場には、こんな蒸気機関車が。この独特の形は阿里山森林鐵路車庫園にも展示されていたシェイ型機関車ですね。軌間も762mmのようで、明らかに現在の集集線では走れません。
wikiで調べてみましたが、集集線は日本統治時代に水力発電所への資材運搬のために敷設されたとあるだけで、ゲージの改軌については触れられていませんでした。ですが、このSLがあるということは、かなり長い期間、761mmで営業していたものと思われます。
SLの向かいに、なぜか戦車がありました。こちらはさらに不明。
さらには駅前にはイミフなキャラクターが。
時間が迫ってきたので折り返しの列車に乗ります。
こちら、最後尾ですが、左側が運転席。なんと、右側にはふたりほどが座れる座席があります。マニアはここに座るんですね。
動画を撮ってきました。二水からのものです。
集集までの間は比較的平坦な地形で、周囲は農地ばかりです。災害の起こった集集から先は地形も変わるのでしょうけど。
戻りは乗り換えもありましたが、昼前に斗六に到着しました。
時間があったので、この日の午後、西螺に行くことができました。最悪、宿か駅で荷物を預かってもらうかして、翌日行くことになるかと思ってましたが。
★今回の画像データはすべてOLYMPUS OM-D E-M10/ED14-42mmでした。
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コメント
ひょうちゃんさんへ
こちらこそ、ありがとうございました。
台湾には、足を踏み入れたことがないので、興味あります。
車両の中間のリングの仕切り、日本でもどこかで見た気がします。
今後とも、宜しくお願い致します。
投稿: Zhen | 2023年9月 3日 (日) 23時52分
Zhenさん
ご訪問ありがとうございます。
台湾未踏ですか。
福建系が多いためか、全体的に料理の味付けは薄めです。
そして、日本人大歓迎な国です。
わたしゃ、中国本土は深圳を含めれば9回訪れてます。
ですが、うち7回は古い時代のツアーで、当時フィルムカメラでしたので、ほぼblog記事にはしていません。
かろうじて、タイ・ラオス・雲南のことを「200808 Mekong」として起こしてますので、興味がありましたらご一読いただけるとありがたいです。
>車両の中間のリングの仕切り、日本でもどこかで見た気がします。
実は日本で作られた車両です。
とはいえ、内部の仕切りは個人的には日本では遭遇してません。
こちらこそ、よろしくお願いします。
また、伺います。
投稿: ヒョウちゃん | 2023年9月 4日 (月) 20時07分
集集線は2010年に乗りました。台中発でしたが、台中から終点まで乗って、1駅引き返して水里で下りて、バスで日月たんへ向かいました。当時すでに、丸い門がついた改造ロング車でした。改造される前の自強時代にも乗っているので、すぐに改造だとわかりました。
投稿: とんび | 2023年9月 5日 (火) 21時03分
とんびさん
すでに、台鉄の非電化区間は集集線、内灣線、平渓線くらいですので、ディーゼルの自強號の車両がこれらに集中しているのは当然という感じがします。
集集線は二水などに車庫がないので、彰化あたりから運行しているのだと思いますね。
現在、台中から集集線にやってくる車両があるかはちょっとわかりません。
台中も高架駅になったので、なさそうな気もします。
投稿: ヒョウちゃん | 2023年9月 5日 (火) 23時10分