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2024年2月28日 (水)

フレンチポップス

かすてら音楽夜話Vol.182

引き続きのミケポスカフェでの音楽談義第二弾です。

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カフェにお邪魔しますと、みつけちゃいましたよ、このようなCD。

トップから右回りにジム・クロウチ、トム・ウェイツ、そしてミッシェル・ポルナレフです。

今回はミッシェル・ポルナレフをはじめとするフランスのポップスの話です。シャンソンではございません。

Michel Polnareff

ワタクシが洋楽を聴くようになったのは小学校高学年の頃です。少ないお小遣いの中から今は亡きメーカー、AIWAのポケットサイズのAMラジオを買い、NHK以外で受信状態のいい(954KHz)TBSをよく聴くようになりました。

土曜の夜には「ヤングタウンTOKYO」という公開収録番組があり、主に生ライヴとトークで構成される番組でした。当時デビューしたての小林麻美(現在は田辺エージェンシー社長夫人)が人気があり、若手女性アイドルとまだ二人組だったオフコースなどがよく出演していました。司会は桂三枝(現在の桂文枝)でしたねえ。

そして、日曜の午前には「TBS今週のベストテン」という番組があり、洋楽vs邦楽のベストテン対決をサイコロを振って勝ったほうが長く流れるというちょっと変わった番組でした。洋楽担当が宮内鎮雄で邦楽担当が久米宏でした。

邦楽ではチューリップの「心の旅」が強く、洋楽では何といってもカーペンターズが強かったですね。

さて、カーペンターズ、サイモン&ガーファンクル、ウィングス、エルトン・ジョンなどに交じって異色の存在だったのがミッシェル・ポルナレフなのでした。

 

ミッシェル・ポルナレフの「Tout, tout pour ma chérie」(邦題「シェリーに口づけ」1969年)でした。

この曲は今でもテレビ番組でよく使われております。特にTOKYO MX「5時に夢中」では毎回最初のCM前に流れております。

当初はB面曲でしたが、1971年にA面として再発され、日本国内で40万枚の売り上げがあったといいます。そして、オリコンのシングルチャートで6位を記録しています。ところが、この曲は本国フランスでもチャートインしておりません。なぜか日本では売れたのでした。

それにしてもインパクトのあるカーリーヘアにでかいサングラス。こりゃ、一目ですぐにミッシェル・ポルナレフとわかりますね。そして、彼は公演のポスターに自らの生尻をさらすということをやってのけます。その後さらにエスカレートし、股間を帽子だけで隠したポスターも作られました。まさに「アキラ100%を半世紀早くやっていた」(by トーマスさん)ことになります。

ちなみにThe Runawaysのヴォーカル、シェリー・カリーが下着姿で歌うのはもう少し後のこと。

ところで、邦題なんですが「シェリー」は人名ではなく「口づけ」も関係ないんですね。原題を英語訳すると「All, all for my darling」となるそうで、「すべてを僕の愛しい人に」といったところだそうで。

 

こちら、「Holidays」(邦題「愛の休日」1972年)でした。

「TBS今週のベストテン」では「シェリーに口づけ」は直接聴いていませんでしたが、この曲はよく流れました。フランスで4位、日本でまたもオリコン6位というヒットです。

ポルナレフの曲はタイトルだけはなぜか英語のままというものが結構あることをミケポスカフェのオーナーさんのCDで知りました。

ポルナレフのでかいサングラスは、白内障を患っていたからともいわれております。また、父親がウクライナ系ユダヤ人でのちにフランスに移住したという人でした。そんなポルナレフも1944年生まれですので、今年で80歳ですよ。こういうインパクトのある人は今後出てくるでしょうかね。

Danièle Vidal

 

ダニエル・ビダルという人、1952年生まれでシャルル・アズナブールにスカウトされ1969年にデビュー。生まれは旧フランス領のモロッコだそうですが、アラブやベルベルの血は入ってないようです。

かなり日本とかかわりの深い人で、デビューシングルの「天使の落書き」から日本でもリリースされオリコン12位のヒットを記録しています。

個人的には曲よりもサンスターの歯磨きだったかのCM「♪透き通ってるってホントかな」のフレーズが印象的でした。残念ながらYouTubeにはこれが見当たらず、定番ともいえる「Les Champs-Élysées」(邦題「オー・シャンゼリゼ」1971年)を持ってきましたが、こちらもオリコン78位です。

オリジナルはイギリスのサイケバンドJason Crestの「Waterloo Road」にフランス語の詞を付けたものです。

日本とのかかわりが深い彼女ですが、なんと「チャコとヘルスエンジェル」のメンバーと結婚していて(のちに離婚)、日本在住経験もあり、かなり日本語が堪能になったようです。

こんな映像を貼っておきます。

 

何度も来日しているようです。ちなみに、2019年のもの。異様に若くないすか?

ま、日本でもユーミンやまりやはカメラが入るとこんな感じだよね。

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ここでブレイク。ダニエル・ビダルがモロッコ生まれと関係しているわけではないのですが、ミケポスカフェのオーナさんお手製のタジンでございます。

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これまた美味しゅうございました。

「マダマダツヅクヨー」(Rolling Stones日本公演時のMic JaggerのMCより)

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コメント

ダニエル・ビダルの歌声を聴くと改めてフランス語のイントネーションの美しさを感じました。
私は言葉の発音が美しいのはフランス語と中国語、美しさが感じられないのは韓国語だと思うのですが、いかが?
スクムビット

投稿: スクムビット | 2024年2月28日 (水) 18時53分

スクムビットさん

フランス語はどことなく独特ですよね。
でも、話されているとなんとなくわかります。
わたしゃ、第二外国語にフランス語を選んだのですが、講師がいきなり産休になり、講師が交代などの混乱を受け、その後はただ単位を取ることだけに専念しました。
今思えばもったいないことをしたと思うんですが。
中国語は普通話と広東語や上海語など発音と使われる言葉が違うので、なんともいえません。
台湾や香港の歌手でもおそらくは3つくらいの言葉を使い分けてそれぞれの言語版のCDをリリースしていると思います。

投稿: ヒョウちゃん | 2024年2月28日 (水) 21時09分

ミッシェル・ポルナレフ「シェリーに口づけ」懐かしいです。TBS今週のベストテン、これもよく聴いていました。自分は洋楽派でしたが、聴きたい曲がかからないと思い切り悔しがっていました。他にもロイ・ジェームスの番組なども聴いていました。昔はラジオ番組が音楽の情報源でした。

投稿: アニタツ | 2024年3月 2日 (土) 10時16分

アニタツさん

チンチロリンではやけに久米宏が強くて、「心の旅」ばかりが長くかかっていたような記憶が…。
洋楽ではイーグルス「魔女のささやき」が流れて、やけに暗い歌だなと思いました。
ラズベリーズはこのころ知りました。
アニタツさんの地域だと当時のラジオ関東も受信状態が良かったんじゃないすか?

投稿: ヒョウちゃん | 2024年3月 2日 (土) 20時03分

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