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2024年3月30日 (土)

日本限定ヒットの洋楽

かすてら音楽夜話Vol.186

日本は昔からタイでいうファラン(欧米系の外国人で非アフリカ系の人々)に憧れる傾向があるようです。

まあ、彼らは日本と異質な文化と価値観を持った人たちです。ですが、「尊王攘夷」「生麦事件」や「鬼畜米英何するものぞ」の時代から1945年8月15日を境に、憧れがどーんと反動のように広がりました。「ギブミーチョコレート」から「ビートルズ」、そして現在までそれが延々と繰り返されてきたわけです。

と、前置きはここまで。

音楽の世界ではエルビスからビートルズなどの典型的な欧米のヒット曲も日本に紹介されてきたわけですが、今回紹介するのはアメリカのビルボードやイギリスのNME誌、ミュージックウィーク誌等のチャートにはまったくチャートインもせずに、なぜかオリコンシングルチャートやオリコン洋楽チャートに入ってきた、いわば日本限定のスマッシュヒット曲をふたつほど紹介したいと思います。

年代ごとに。まずはこちら。

 

Tanya Tucker(タニヤ・タッカーの「Hello, Mr. Sunshine」(「ハロー・ミスター・サンシャイン」)でした。

おそらくですが、50代後半以上の方ならどこかで聴いたことのある曲なのではないでしょうか。

こちら、味の素AGFのインスタントコーヒー、「マキシム」のCM曲なのでした。このCMにはアメリカの俳優、カーク・ダグラス(マイケル・ダグラスの親父さん)を起用し、1975年から1983年までCM出演していたとのことです。曲自体はそれほど長くは使われなかったと思われますが、少なくとも1975年には放送されていたものと思われます。

余談ですが、カーク・ダグラスって出演当時59歳で、なんと103歳でお亡くなりになるという長寿の人でした。

さて、これを歌ったタニヤ・タッカーですが、1958年生まれのカントリー歌手です。そして、現在も活動中みたいで、アメリカではかなり知名度がある人ですね。それにしても、17歳でカントリーですよ。アメリカ中南部あたりはカントリーの人気がかなりあって、おそらくですが、当時はカントリー界のアイドル的な存在だったんでしょうね。

そして、この曲がアメリカでヒットもしなかった理由ですが、シングルとしてリリースされたのは日本だけだったからです

タニヤ・タッカーのデビューは1972年のシングル「Delta Dawn」(邦題「デルタの夜明け」)ですが、ビルボードHot100(シングルチャート)で72位、カントリーチャートで6位というものでした。ですが、翌年同曲を競作でリリースしたHelen Reddy(ヘレン・レディ)がシングルチャートで1位を獲得しています。

とはいえ、タニヤさんも「Hello, Mr. Sunshine」までに6曲をカントリーチャートの1位に送り込んでいます。また、1976年リリースの『Here's Some Love』というアルバムでもついにカントリーチャートの1位を獲得しました。

このアルバムは全10曲が収録されているのですが、なんと日本盤だけに「Hello, Mr. Sunshine」がB面の1曲目として入っているのですね。もちろん、あちら盤にはなしです。おそらくは「Hello, Mr. Sunshine」だけがカントリーっぽくないという理由で、アメリカ盤には入ってないんでしょう。

クレジットを見てみると、作詞がVeto Galati Jr.、作曲がMick Stewartとなっています。おそらく、この人物を検索してもwikiでは出てこないはずです。そして、この人物はあのかまやつひろし(当時の名称)なのでした。

 

つうことで、ムッシュのライヴ音声(のみ)ですが貴重な「Hello, Mr. Sunshine」も付け加えておきます。もしかしたら、こちら削除の可能性があるので、聴くならば今のうちですよ。

さて、次はこちらのデュオです。

Ms0029

…といってもわからないでしょうねえ。

双子のデュオ、Alessi(アレッシーまたはAlessi Brothers)です。1953年生まれのBillyとBobbyのデュオなんですが、違いがよくわかりません。ま、分かったところで、どうでもいいことなんですが。

ちなみに、アメリカのチャートでは1977年の「Oh, Lori」がキャッシュボックス84位、1982年の「Put Away Your Love」がビルボード71位、キャッシュボックス79位という寂しいものです。ただし、「Oh, Lori」だけはなぜかイギリスのチャートで8位を記録しております。

ですが、1976年にあのカーペンターズのいたA&Mからデビューし、一時はクインシー・ジョーンズの傘下にもあり、期待度は大きかったのですね。まあ、実際に聴いてみるとかなりのクオリティで、なんかもったいないような気もします。

さて、日本でちょっとだけヒットしたのはこちらの曲です。

 

1977年のシングル、「All For A Reason」(邦題「ただ愛のために」)でした。

結構AORの要素が入っていて、個人的にはいい曲だなと思うんですが、本国アメリカではチャートインせず。オーストラリアで69位、オランダで22位、南アフリカで17位という結果に沈んでおります。

さて、日本ではこの曲は「Janzen」というアパレルメーカーのCM曲に採用されました。それは、タニヤ・タッカーとも被る年代。私事ですが、ジャンセンのサマージャケットなんぞを購入した覚えがありますが、ひとえに、この曲とCMの影響があったと思います。

さて、そんなアレッシーですが、英語版wikiによりますと、ポール・マッカートニー、デビー・ギブソン、フランキー・ヴァリ、オリビア・ニュートン・ジョン、クリストファー・クロスらの面々に曲を提供したり、編曲、プロデュースをしたとあります。

また、映画「ゴーストバスターズ」、「メインイヴェント」などの劇中歌にヴォーカルで参加したとの記述も。ピーター・フランプトンやリック・スプリングフィールドが曲をカバーしたそうです。

途中20年ほどのブランクがありますが、これまで11枚のアルバムもリリースしてました。まあ、売れないんですが。

それでも評価してくれる同業者は結構いるということで、なんとか生き残ってますね。

近年の映像がこちら。

 

一応近年といっても13年前のものだそうです。ここからわかることは、兄弟、担当楽器がキーボードとギターであるということ。

曲は二人で作っていて、別の曲の映像ではメインのヴォーカルが入れ替わっているものもあります。そのあたりの担当はどうやって決めているんだろうと思ったりして。

つうことで、今回は本国でヒットしない日本限定のヒット曲でした。

こういうのまだありますかね。ちなみに、ダニエル・ブーンの「Beautiful Sunday」は英米どちらもチャートインしてます。他に情報モトム!

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