爆風スランプの40年
かすてら音楽夜話Vol.191
5月26日の日曜日、ラオスフェスティバルが代々木公園イベント広場で行われました。
ラオスには何度か旅をしているので、当然イベントで売られている飲食物や物産には関心があるのですが、今回の目当てはこのふたりでした。そう、サンプラザ中野くん(2008年に旧芸名から「くん」を付け、改名、ヴォーカル)とパッパラー河合(ギター)です。
昨年のベトナムフェスティバルではGueenというQueenのコピーバンドの演奏を拝見させていただきました。それも貴重なんですが、かつて一世を風靡した爆風スランプのフロントマンが料金も取らないフリーコンサートをやってくれるとは。
でも、彼らはここ数年、ラオスフェスティバルには続けて出演しているようなのですね。今年の2024年にはラオスフェスティバルに加えて、6月2日(日)のベトナムフェスティバルにも出演するということなので、なんて太っ腹な人たちなんだろうと思いました。
爆風スランプのふたりと書きましたが、彼らは千葉県立東葛飾高校の同級生で大学進学後(中野氏が早稲田、河合氏が獨協)に「スーパースランプ」というバンドを組み、Eastwestというヤマハ主催のアマチュアバンドのコンテストに出場し、優秀グループ賞を獲得します。その時の最優秀グランプリを獲得した「爆風銃(バップガン)」のメンバーであったファンキー末吉(ドラムス)と江川ほーじん(ベース)と合体して爆風スランプが誕生したのです。
若かりし頃の彼らの映像があります。
爆風スランプはデビュー時のプロダクションが「オフィスすいか」でしたが、プロデュースを担当した新田一郎(ex.スペクトラム)の「代官山プロダクション」に移籍。映像は代官山プロダクション所属時のもので、当時所属していた天宮良とTopsも出演しています。
実はこの頃、バンドの方針を巡って社長の新田一郎と江川が対立し、結局江川はバンドを去ることになります。その江川の後任がTopsにいた和佐田達彦(バーべQ和佐田)となりました。このあたりのもめごとから爆風スランプは代官山プロダクションの親会社ともいえるアミューズに移籍することになります。
おなじみ、「Runner」(作詞:サンプラザ中野 作曲:Newファンキー末吉 編曲:爆風スランプ)でした。オリコンシングル6位で、かなりのロングヒット。映像はおそらく武道館公演のもので、これを最後に江川が脱退することになります。
この曲は陸上部の活動をテーマにしているものの、内実は去っていく江川の姿を中野が歌詞に反映したものといわれています。
ラオスフェスティバルのステージで、中野は「もう、30年以上皆さんの心に刷り込まれている曲」と発言していました。そのココロは「運動会で小学校1年生の時からかかっている曲」とのこと。
また、ラオスフェスティバルでは「♪走る、走る 俺たち」の部分をラオス語にして歌っておりました。ちなみに、中野氏はラオスで歌ったともいってました。河合はラオスには行ったことはないとのこと。
ベトナムフェスティバルではベトナム語でやるのでしょうかね。
「大きな玉ねぎの下で」(作詞:サンプラザ中野 作曲:嶋田陽一 編曲:久米大作)、オリコンシングル8位でした。
ラオスフェスティバルのセットリストでのオープニングナンバーでした。こちら、中野が窓から武道館を眺め、いつかあそこでコンサートをやりたいなと思っていたら、事務所から1年後武道館を予約したときかされ、作った曲です。
ちなみに、ラオスフェスティバルで、ちょこっとずつですが動画を撮ってきたので、よろしかったらご覧ください。結構長いです。
*映像ですが、申し立てがあり、現在閲覧できなくなってます。ご迷惑おかけしました。
実は中野氏と河合氏はこんな活動もやっています。
ま、実態は河合氏のソロプロジェクトみたいなものですが。
当時「王様」という人が流行らせた直訳ロックを河合氏がやってみたという感じですかね。Queenにかけて女王様。原曲を知っている人にはいたくよくわかるパロディですね。
これには続編があり、「踊る女王様」(ディスコヒット、EW&FやKCなど)「渚の女王様」(ヴェンチャーズ)の直訳ロックです。中野氏はゲストヴォーカルですかね。
ほぼ、違法アップロードですが、女王様でヒットします。
さて、爆風スランプはデビュー40周年なんだそうです。代々木の会場にも爆風スランプのTシャツを着た人たちがいて、40周年ライヴをやるそうですよ。おそらくですが、今回参加しなかった末吉氏と和佐田氏も参加するはず。ちなみに、江川氏は交通事故の後遺症のため、人前に出てくることはなさそうです。残念ですが。
こんかいわずか4曲でしたが、来年も出演してくれるならまた見に行ってもいいかな。いや、是非お願いしたいです。
なお、別館でのラオスフェスティバルの記事はこちら→「ラオスフェスティバルに行ってみた」
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コメント
ラオフェスでの2人のパフォーマンス、さすがでしたね。一瞬で観客をつかむ雰囲気がありました。ラオス語のランナーもレアでした。爆風スランプというと、早稲田大学のイメージがあります。デーモン閣下も早稲田の出身でしたね。
投稿: アニタツ | 2024年6月 3日 (月) 07時30分
アニタツさん
さすがにエンタメ界で40年揉まれてきてますので、「前座」のアイドルたちとは段違いでございました。
そういうところが長けていて、うまいなあと感じました。
早稲田ですが、爆風またはスーパースランプや聖飢魔Ⅱはサークル活動の一環でもないみたいで、他の大学からも参加してますね。
一方、慶応(杉真理と竹内まりやなど)は学内の人材だけで、サークル活動に近いイメージがありますね。
投稿: ヒョウちゃん | 2024年6月 3日 (月) 19時24分