温故知新・Barry Mann
かすてら音楽夜話Vol.189
お久しぶりでございます。
スランプとかネタ切れとかではなく、ちょっと旅に出ていたもので。ココログの容量が一杯になるまで、できれば月2回ペースで頑張っていこうと思いますので、今後とも宜しくお願いいたします。
さて、今回のネタはBarry Mann(バリー・マン)というお方。とはいえ、この方、日本語版のwikipedhiaにはページがございません。
簡単に紹介します。
1939年米国ニューヨーク生まれ。60年からプロのソングライターとして活動。同年ソロ歌手として『フー・プット・ザ・ボンプ』でデビュー。歌手では「シビレさせたのは誰」のヒットを放つが、ソングライターとして活躍する。ライチャス・ブラザーズの「ふられた気持」やアニマルズの「朝日のない街」など、60~80年代に多数のヒット曲をリンダ・ロンシュタットやドリー・パートンらに提供。代表アルバムはセルフ・リメイクの『ソウル&インスピレーション』。
2012/07/30 (2017/06/27更新) (CDジャーナル)
とのこと。
個人的にはほぼなじみがないのですが、知るきっかけになったのはこの曲でした。
そう、3月にお亡くなりになった、Eric Carmen(エリック・カルメン)の「On Broadway」だったのです。
こちら、1975年のソロデビューアルバム『Eric Carmen』(邦題『Sunrise』)に収録されています。
あのエリック・カルメンにしてはずいぶんと地味な曲だなと思っていたら、カバーだったのです。原曲はアメリカのアフリカ系コーラスグループ、The Drifters(ドリフターズ)の1963年のヒット曲でビルボード9位を記録しています。
作者はバリー・マンと奥さんのCynthia Weil(シンシア・ワイル)、ソングライターチームのJerry Leiber & Mike Stoller(ジェリー・レイバー&マイク・ストーラー)となっています。
エリックのカバーは比較的原曲に忠実で、持ち味であるポップな部分を敢えて抑えているような感じです。よほど、ドリフターズ、あるいはバリー・マンが好きだったと思われます。考えてみれば、1949年生まれのエリックにとっては14歳くらいの時で、クラッシックを勉強しながらも通俗的なこの曲にも惹かれつつあったことが想像できます。
その他、エリックにはFour Tops(フォートップス)がリリースした「Baby I Need Your Loving」という曲のカバーもあるので、多感な時代に影響を受けたものに、リスペクトがあるのだと思いますね。
さて、「On Broadway」ですが、さらにはNeil Young(ニール・ヤング)もアルバム『Freedom』(1989年)でカバーしてます。
より、ロック色の強いヴァージョンですね。
さすがは、ニール・ヤング、クラシックなアメリカの定番曲を見事に自分のものにしております。ちなみに、彼はカナダ人ですけど。
個人的に『Eric Carmen』と『Freedom』のふたつのアルバムを持っていたので、「On Broadway」はちょっと気になっていたのです。
「On Broadway」を最も商業的に成功させたのは、この人、George Benson(ジョージ・ベンソン)でしょうか。
ベンソンはもともとはジャズ・フュージョン系のギタリストでしたが、ヴォーカルもイケるということで、70年代後半のフュージョンブームに乗って続々とアルバム・シングルをリリースします。
1978年のライヴアルバム『Weekend In L.A.』からのシングルカットで、ビルボード7位。リズム&ブルースのチャートでは2位を記録しました。ライヴのテイクがヒットしたというのはPeter Frampton(ピーター・フランプトン)の「Show Me The Way」(1976年、6位)以来でしょうかね。
ちなみに、現在のベンソンは顔も身体も2倍くらいに膨れ上がってます。フランプトンも髪の毛が後退してしまって…。ま、半世紀近く前の出来事ですから、仕方ないことなのかも。ま、エリック以外、みなさんご健在なのは何よりです。もちろん、バリー・マンも。
様々な「On Broadway」。これは、曲の素材が良いということで、どうにでも料理できるということでしょう。
「On Broadway」は『Eric Carmen』も『Freedom』も、リリースからだいぶ経ってから購入したのですが、すでにワタクシの琴線に触れていたバリー・マンの曲がありました。こちらです。
Daryl Hall & John Oates(ダリル・ホール&ジョン・オーツ)の「You've Lost That Lovin' Feeling」(邦題「ふられた気持ち」)でした。
こちら、1980年のアルバム『Voices』(邦題『モダン・ヴォイス』)収録で、アルバムからの2曲目のシングルカットで、ビルボード12位を記録しております。
ちょうどこの頃、ホール&オーツにはまっておりまして、当然ながらヴァイナルのLPを購入いたしました。
曲の作者はバリー・マンとシンシア・ワイル、そしてPhil Spector(フィル・スペクター)となっています。オリジナルはThe Righteous Brothers(ライチャス・ブラザース)の1964年のシングルで、見事にビルボード1位を獲得しています。
クレジット関連ではフィル・スペクターの名前が加わってますが、彼がプロデュースした作品にはほぼ名前が載るので、本当にソングライティングの力があるのかはやや疑問が残ります。
さて、バリー・マンですが、1939年生まれで、今もご健在。ニューヨーク生まれで、ユダヤ系だそうです。奥さんのシンシア・ワイルは昨年お亡くなりになったそうです。
このように思わぬ形で曲が見つかることもあり、今後もクレジット関連はきちんと見ていくことと思います。
さて、温故知新シリーズ、主にカバー曲が多くなると思いますが、続編も考えております。
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コメント
ヒョウちゃんさんお帰りなさい。
バリー・マン、実はいろいろな形で耳にしていたことがわかりました。言われるまで、ニール・ヤングとジョージ・ベンソンが同じ曲をやっているとは気づきませんでした。ホール&・オーツとライチャス・ブラザースも同じく。「ふられた気持ち」は映画トップガンでも使われていましたね。
投稿: アニタツ | 2024年5月 5日 (日) 16時40分
アニタツさん
記事にも書いたとおり、きっかけはエリック・カルメンとニール・ヤングなのでした<バリー・マン
「On Broadway」は調べるとさらにたくさんの面々がカバーしてます。
ホール&オーツの「ふられた気持ち」は湯川れい子の「全米Top40」(ラジオ関東)を毎週チェックしていたので、なんか懐かし気な曲だなと当時感じていましたね。
今後しばらく、洋楽関連で書いてみますので、よろしくお願いします。
投稿: ヒョウちゃん | 2024年5月 5日 (日) 23時28分