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2024年6月18日 (火)

個性の異なるツインヴォーカル

かすてら音楽夜話Vol.192

今回は毛色の異なる二人のヴォーカリストを持つグループを取り上げました。

 

ご存じ、クリスタルキング、1979年のデビューシングル、「大都会」(作詞:田中昌之、山下美智夫、友永ゆかり 作曲:山下美智夫 編曲:船山基紀)です。

この曲は第10回世界歌謡祭のグランプリ曲であり、翌年にはオリコン1位を獲得し、6週連続1位をキープしたメガヒット曲でもありますね。ちなみに、この時期の世界歌謡祭の日本人のグランプリ曲ですが、「あんたのバラード」(第8回)、「夢想花」(第9回)と続き、受賞すれば必ずヒットするという路線上にありました。

グランプリ曲でのオリコン1位は小坂明子の「あなた」以来2組目で、110万枚の売り上げということで、ヤマハポピュラーソングコンテスト~世界歌謡祭出自の曲としては史上最高に売れたのではないでしょうか。

余談ですが、「大都会」がオリコン1位に輝いたころ(1980年2月)、わたしゃ冬合宿と称する「卒業生追い出し合宿」に参加するため、北海道の塩狩温泉というところにいたんです。その時、北海道の雪山の中でもTBSの「ザ・ベストテン」が放送されていて同期の連中の間ではクリスタルキングが話題になっていました。

ま、その頃はかなり洋楽志向で、ましてやテレビの歌謡番組に出る日本のミュージシャンはほぼ無視するような状態でしたので、この時が初のクリスタルキングでしたねえ。今思えば、もうちょっと遅い時間帯に放送されていた「夜のヒットスタジオ」とか、「サウンド・イン・S」などには松原みきもスペクトラムも出ていたんですけどねえ。

ともかく、イントロ後の「♪ああー、果てしない」の田中昌之の超ハイトーンヴォイスと、その後の「♪裏切りの言葉に」の吉崎勝正のぶっきらぼうであるような荒い感じの声との対比が強く印象に残りました。

吉崎氏のヴォーカル、低音に聴こえたものですが、今聴き返してみると、そうでもないですね。それはやはり、田中氏のハイトーンによるものが大きく、そういう印象を引きずっていたのだと思います。

続く「蜃気楼」も惜しいところで、オリコン2位。でも、16枚目のシングル「愛を取り戻せ!!」(オリコン53位)のほうが強く印象に残っているのではないでしょうか。それは、もちろん「北斗の拳」のテーマソングでもあり、チャート上は低いものの、超ロングヒットを続け、こちらもミリオン認定されていますからね。ちなみに、日本の日本レコード協会の「ゴールドディスク」認定では「着うた」も含まれるとのことです。

それにしても、個性のぶつかり合うふたりのヴォーカル、ここまでのグループやデュオはクリスタルキング以前も以降も現れていないと思いますね。

さて、クリスタルキングですが、現在は吉崎氏のソロプロジェクトで名前を使っているようです。一方の田中氏ですが、クリスタルキングからの脱退と再加入を繰り返していたようですが、事故でのどをやられ、以前のような声は出なくなっているとのこと。

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<Air Supply>

さて、世界に目を向けますと数多くのデュオまたはツインヴォーカルのバンドがあります。

その中でも個性が際立つのはオーストラリア出身のAir Supply(エア・サプライ)ではないでしょうか。

オーストラリア出身ということで、アメリカ進出は1980年頃。奇しくもクリスタルキングと活動時期が被ります。ま、ほとんど関係ないんだけど。

 

アメリカでのデビュー曲、「Lost In Love」(Graham Russell)でした。

この曲はビルボードHot100(シングルチャート)3位。なんとも無害な爽やかさが残る曲です。

ちなみに、画像の左が作者でもあるGraham Russell(グラハム・ラッセル、左利きのギター)で、右がRussell Hitchcock(ラッセル・ヒッチコック)です。どうも名前がややこしいです。

グラハム・ラッセルのほうが背が高く、中音域のパート。ラッセル・ヒッチコックは背が低く、高音のパートで、ほぼヴォーカルに専念する人のようです。

まあ、これはクリスタルキングと比べてなのでしょうが、どちらかというとハーモニーで聴かせるタイプですね。

この無害な毒をもたないグループは続く「All Out Of Love」も2位を獲得し、3曲目の「Every Women In The World」も5位。

 

そして、翌年の4曲目、「The One That You Love」(Grahamu Russell)でついに1位を獲得するのです。

この曲はほとんどの部分をラッセル・ヒッチコックが歌い、グラハム・ラッセルはコーラスとまさかのファルセットを一瞬かますというものでした。

ところで、彼らはClive Davis(クライヴ・デーヴィス)のArista(アリスタレコード)と契約し、「All Out Of Love」はグラハムとデーヴィスの共作であったり、外部発注の曲であったりもします。無害に見えるようでも戦略はしっかりとしていたということでしょうか。

その後のエア・サプライですが、アルバム『The One That You Love』からの「Sweet Dreams」と「Even The Nights Are Better」が5位を記録したのちは徐々に失速していきます。

まあ、同じようなタイプの曲で繰り返しリリースしていくのはやはり無理があったんでしょうね。やっぱ、飽きられますよ。

詳細はわからないのですが、現在はヴォーカルの二人だけのデュオに移行して細々と活動を続けているみたいです。

わたしゃ、アルバム買ったもんなあ。

近年の映像もあるのですが、ラッセル・ヒッチコック、似つかわしくないタトゥが腕などに入っておりました。んー、これだからあちらの人はようわからんです。

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コメント

この東西2組の比較、興味深いですね。同時期だったのですね。クリスタルキングといえば、やはり「大都会」ですかね。ツインボーカルはもちろんですが、曲のイントロがよく出来ていて、印象に残りました。エアサプライはオーストラリア出身のグループでしたね。カセットテープに録画して、初代ウォークマンで繰り返し聴いた記憶があります。

投稿: アニタツ | 2024年6月18日 (火) 10時37分

アニタツさん

クリスタルキングは佐世保出身で、米兵相手のライヴで腕を磨いたとのことです。前年のポプコンにも出ていたそうですが、「夢想花」の円広志に敗れ去ったわけですが、そんじょそこらのアマチュアには負けないという、たたき上げの自信と根性があったんでしょうね。

エア・サプライをきっかけにしたわけでもないでしょうが、その後、Men At Workなどのオーストラリア出身者がどんどんアメリカ進出していったというのも当時のトピックですね。
彼らのアメリカ版LPは2枚買いました。
やはりダビングしてウォークマンやクルマで聴いてましたね。

投稿: ヒョウちゃん | 2024年6月18日 (火) 19時06分

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