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2024年10月 3日 (木)

クセがすごいんじゃ!

かすてら音楽夜話Vol.198

久々、和もの、J-Popでお送りいたします。

今回は歌い方に特徴のある…というか千鳥のノブ風に「クセがすごい」「クセが強い」方たちを3組紹介したいと思います。

まず、誰もが思いつくのがヒロミ・ゴーあたりでしょうが、そういうメジャーでだれもが知っている人じゃありません。ま、ワタクシが選ぶのですから、ぐっと知られていない人たちになりますね。

第3位

 

GRAPEVINE(グレイプヴァイン)の「羽根」(作詞:田中和将 作曲:西川弘剛)でした。1999年のサードアルバム『Here』からのシングルカットで、6枚目のシングル。オリコンシングルチャート20位ですが、GRAPEVINEのシングルでは最も売り上げの良かった作品です。

GRAPEVINEというグループ名の由来ですが、アメリカのヒット曲「I Heard It Throug The Grapevine」(邦題「悲しい噂」)からとられております。同シングルはGradis Knight & The Pips版がビルボード2位、Marvin Gay版が1位になっております。単語名自体は「ブドウのつる」という意味です。

そして、GRAPEVINEは1993年に活動を始め、1997年にメジャーデビューし、現在に至っております。コンスタントにアルバムをリリースしていて、現在までにその数28枚。

1997年あたりですと、音楽産業もかなり活発な時代で、競争も激しかったと思いますが、割と簡単にデビューできたというか、レコード会社も豊富な予算があった時代ですね。それでも、現在まで生き残っていますので、実力はバンドといえます。

さて、メンバーですが、田中和将(ヴォーカル、ギター)、西川弘剛(ギター)、亀井亨(ドラムス)のスリーピースバンドです。デビュー時からアルバム『Here』までの期間は西原誠(ベース)が在籍していましたが、ジストニアのため脱退。なお、西原はリーダーでした。

現在はサポートとしてベースとキーボードが入ります。

曲の大半を田中が作詞し、作曲は西川と亀井、田中が担当しますが、メインのライターはドラムの亀井が担当するというちょっと変則的なバンドですね。そして、田中の作詞はなかなか奥が深く、文学的であるという評価を受けています。

その田中のヴォーカルがこちら。曲にしてみると、その文学的な言葉がどちらかというと日本語のようには聴こえないという不思議さです。いわば、癖が強いんですね。

個人的には『Here』収録のラストナンバー、「南行き」という作品がお気に入りなんですが、彼らのYouTubeには上がってませんでした。こちら、さらに言葉が難解というか意味不明なところもあり、それでもノリで引っ張っていくような印象の曲です。コーラスにHicksvill(ヒックスビル)の真城めぐみが入っていて、さらにグルーブ感を出しているんですが。なお、彼らの曲はやっぱり難しく、わたしゃカラオケで大失敗したことがあります。やはり、ヴァインの曲は田中にしか歌いこなせないような気がします。

第2位

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第2位はポップス部門ということで、今回取り上げる中では最も知名度のあると思われる堂島孝平です。

彼は1995年のデビューでやはりレコード会社に豊富な予算があった時代のデビュー組ですね。ですが、現在も生き残っていて、音楽バラエティ「堂本兄弟」(番組はすでに終了)のバンドメンバーであったり、NHK「SONGS」ではバックでギターやハーモニカを演奏する姿も見ることができます。

まあ、それだけのキャリアがありながら、ヒット曲というものは「こち亀」のオープニングテーマ「葛飾ラプソディ」くらいしかないような。あと、チョコラBBのCM曲なんかもあったかな。

ですが、堂島氏はなかなかのポップセンスを持ち合わせていて、パソコン通信の音楽系会議室では話題になっていた人なんですよね。

そして、1998年の年の瀬にワタクシも渋公(渋谷公会堂、現在のLINE CUBE SHIBUYA、CCレモンホールを経てこの名前になったそう。かつては1964年の東京オリンピックの重量挙げ会場だったそうですが)に足を運んでみましたが、見事に90%が若い女性で、男性客は女性の連れくらいでした。それでも、単独で来ている男性客もちょっとはいました。なんとなくアイドルっぽい感じはありましたね。

 

映像は1997年1月リリースの6枚目のシングル、「ロンサムパレード」(作詞作曲:堂島孝平 編曲:中山務・堂島孝平)です。サードアルバム『トゥインクル』の1曲目ですね。

どうです。地声じゃないけど、ファルセットでもないという。なかなか喉に負担のかかりそうな歌い方です。癖が強いですねえ。え?わからない?では、こちらはどうです?

 

デビューシングルの「俺はどこへ行く」(作詞作曲:堂島孝平 編曲:太田要)でした。声が素のままです。

きくところによると、かつてはブルーハーツにあこがれるロック少年で一人称も「俺」を使っていたのですが、見た目とのギャップがあり、試行錯誤を重ねて「ロンサムパレード」のような変態的な歌い方にチェンジしたようです。

まあ、「俺はどこへ行く」も曲調やスピード感などその後の堂島孝平となんら変わらないと思いますが、歌い方を変えて成功に至ったのだと思います。実際、素のままではないほうが彼には合っていると思いますね。

第1位

 

ラストを飾るのはcanna(カンナ)という二人組です。デュオというよりは、二人組です。

映像は2000年の日本武道館ですが、彼らの力だけでいきなり武道館は無理で、これはTokyo FMの企画(アースデイコンサート)でして、メインは18年ぶりのステージとなる竹内まりやなんです。このライヴ、行きましたもん。

さて、cannaですが、メインのヴォーカルが谷中たかし、映像の人ですね。そして、相方がキーボードとコーラス(曲によってはヴォーカルを担当)の周水(しゅうすい)です。

ま、今回は谷中氏のヴォーカルについてなんですが、相方についてもちょっと触れておきます。現在もcannaとして活動していますが、活動量は絶対的に少なくなってます。と、いうのも周水氏がスマイルカンパニーの代表取締役社長だからですね。さんざんバッシングされたジャニー氏の問題で、スマイルカンパニーと業務提携していた松尾潔にクビをいい渡したのが周水なんです。本名、小杉周水。ジャニーズエンターテイメント及びスマイルカンパニーの元社長、小杉理宇造氏のご子息になります。cannaじたいもスマイルカンパニー所属です。ま、そうなりますよね。

彼らは1998年、Bounce Record(タワーレコードのレーベル)からインディーズデビューを果たし、翌年メジャーデビューします。タワレコのリコメンドなどにもなっていたと思います。親の七光りはあまりなかったと思いますが、「ちょっとよろしくね」くらいはあったんじゃないかなと思いますね。

でもまあ、売れなかったですね。アップした映像は8枚目のシングル「あぜ道」(作詞:谷中たかし・新井洋平 作曲:canna 編曲:重実徹)で、オリコン74位でした。セカンドアルバム『新世界』にも収録されています。

谷中氏の歌い方、声の強弱を発声のみならず、マイクを近づけたり離したり(あるいは顔をマイクに近づくまたは遠ざかる)して行うんです。それに、なんともねちっこい歌い方です。

彼らのにはYouTubeチャンネルがあるのですが、ライヴ映像がメインで、アルバム収録曲などは上がっておりません。実はセカンドアルバム『新世界』の「Survival Game」なんて曲が谷中氏の歌いっぷりが際立っているのですけど。曲中でブルース・リーまで披露してくれますけどね。

さて、ここで取り上げた3組、わたしゃアルバムもほぼ持っているし、ライヴにも行きました。ま、しょっちゅう聴きこんでいるわけじゃないんですが。たまにはクセの強いものもいいんじゃないすかね。耳もほぐしてやらないと。

かすてら音楽夜話、198回まで来ましたねえ。一応、200回目は「これ」というのを決めているんですけど、今回もそれ以前の記事にしてもコメントをお待ちしております。ヒントをくださいね。下記のバナーもクリックお願いします。

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