思わせぶりな男女のデュエット3選
かすてら音楽夜話Vol.205
先日、またもやミケポスカフェにお邪魔いたしました。
そこで、このような音源を持ち込みました。なにがなんやらですが、一応テーマを絞ったものもあります。
今回はほぼ世間に知られていない、J Popのデュエット曲で、その声を聴いてもらって、デュエットの相手を当ててもらうというものでございました。
おいしゅうございます。オーナーさん、料理がお上手で、美味しいのでございます。なかなか寒い1日でしたが、身体が温まりますね。では、音源を聴いていただき、さらに温まっていただきましょう。
斎藤誠「曖昧な恋人」
サザンオールスターズの桑田夫妻と関口氏の後輩にあたるのが、斎藤誠です。サークルの後輩ですかね。
ソロデビュー後、サザンオールスターズのツアー等で、ギタリストとしてもサポートしていたりします。
この「曖昧な恋人」はアルバム『Number 9』(1998年6月20日リリース。文字通り9枚目のアルバム)に収録の曲で、シングルにはなっておりません。
デュエット相手の女性の声に特徴がありますが、ややヴォリュームを抑え気味ですかね。Curly Simon(カーリー・サイモン)の「You're So Vain」みたいに、誰でもわかるMick Jagger(ミック・ジャガー)ほどは目立っておりませんが、存在感はある声の持ち主です。
答えは、古内東子なのでした。
ちなみに、トップ画像の柄本明が9番のユニフォーム姿で写っているのがこのアルバム『Number 9』でございます。
ご丁寧なことに楽曲ごとに斎藤誠による一口コメントがあります。「曖昧な恋人」のコメントは次の通り。
「いけない恋。困った恋。こんなウェットなメロディー歌うのも10年以上振りかな。そしてこの歌詞。出来た時から古内さんが頭にありました。」
(斎藤誠『Number 9』の歌詞カードより引用しました。)
当時の斎藤誠はEpic/Sony所属であり、同じ社内レーベル(Sony)の古内東子に声をかけたというのが真相でしょう。ちなみに、アルバム1曲目の「沸点」という曲でもEpic/Sony所蔵のPuffyがバックコーラスを担当しています。
見事に男女のすれ違いをあらわしている曲ですねえ。トーマスさんも「これ、好きかも」と仰っていただきました。
オーナーさん、Puffyは即座に当てましたね。古内さんに関しては「いわれてみれば…」という感じで答えがわかって皆さん納得でございました。古内さん、当時は「恋愛の教祖」とも呼ばれ、個人的にはユーミンの後継者ではないかとも思っていたんですがねえ。ブームは過ぎ去っておりましたねえ。
ひとまず、ブレイクタイム。
斎藤誠がサザンの後輩であるということから、脱退した大森隆志がらみで、某宗教団体の話に飛んだりして。
☆ちなみに、映像は音声だけですが、冒頭の音は楽曲とは関係ありません。
門あさ美 「Every Night & Day」
門あさ美は極度の人見知りらしく、音楽活動を続けながらも一度として観客を入れたライヴ活動をしたことのない人物です。そのため、メディアにもほとんど出たことがないのですが、なぜか写真集を出したことがあるという美貌の持ち主でした。それがゆえに、謎の多い人物なのでありますね。
これは、誰とデュエットをしているかを当てるのは難しいです。なぜなら、相手の男性もほとんどメディアに登場しない人ですので。
答えは岡本一生(おかもと・いっせい、現在は岡本朗名義で活動)なのでした。
そして、この「Every Night & Day」はふたりの共作です。作詞作曲:門あさ美・岡本一生 編曲:松岡直也となっています。
岡本一生氏はシンガーソングライターとして渡辺プロと契約し、シングル3枚、アルバム3枚を1978年から1982年にかけてリリースしたのみ。ですが、昨年、ファーストアルバム『Moonlight Singing』とセカンドアルバム『MOONLIGHT MYSTERY』が2 in 1の形で、タワーレコードから再発されました。なんと、これが、初のCD化です。
その後は楽曲提供者となり、松原みき「微熱が平熱」、山下久美子「雨の日は家にいて」などを作曲しています。岡本朗名義となってからは、西城秀樹「ミスティー・ブルー」(夏女ソニアのCM曲)、斉藤由貴「砂の城」(オリコン2位)などの曲も手掛けています。
門あさ美には「セ・シ・ボン」、「下りのない坂道」を提供しています。ここでは、曲提供のみ(作詞は門あさ美)で、直接顔を合わせるようなことはなかったと思われます。
さて、YouTubeのコメントによると、このデュエット、同時にスタジオに入り、ヴォーカルを同時に収録したそうですが、お互い背を向けるようにして歌っていたとのことです。
前述のように、極度の人見知りの門あさ美ですので、個人的には別々に収録していたのではないかと思っていました。
作曲も共作なんですが、これまた、ふたりでアイデアを出し合って同時に作っていったということはまず考えられません。おそらくは、どちらかが先にベースの音を作り、もう一方がアイデアを足していくような手法がとられたのではないかと思われます。これまた推測になりますが、「セ・シ・ボン」や「下りのない坂道」などの経緯からベースを手掛けたのは岡本氏ではないかと思われます。
「Every Night & Day」は門あさ美の名義ながら、歌いだしは男性が先です。この曲が収録されたアルバム『Hot Lips』(1982年7月5日リリース)は一昨年タワーレコードの協力の下、紙ジャケット仕様で再発されました。シティポップの仕掛人であり、あまたのシティポップの再発に取り組んできた金澤寿和氏が解説を手掛けております。その中で、岡本氏の声を「ちょっと谷村新司似のスケベ声(←褒めてます)が、男女の濃ゆいムードを盛り上げている」と書いております。
YouTubeの動かない固定画像が『Hot Lips』のジャケットそのものなんですが、バスローブを着た門あさ美がバスタブにもたれかかるという、思わせぶりなものになっています。つまりは、ホテルですかね。このあたり、ユーミンが再ブレイクした80年代後半に先駆け、恋愛どころか男女のドロドロした関係を思わせるイメージなんですね。
当時の門あさ美はまさに絶頂期に入っていて、メディアに出ないはずなのに、『Hot Lips』で初のオリコンアルバムチャート10位入りをするというところまで来ておりました。当時の社会人はこぞって門あさ美のアルバムを購入し、クルマでかけまくっていたという話もあります。
ちなみに、学生時代の友人に会社経営者の息子で、お屋敷に住み、クルマを複数台持つという人物がいて、やつのクルマでドライブに行ったことがあります。同時にやつは今でいうシティポップ(しかも女性限定かつほとんど知られていない人たち)が好きで、そういった曲をずっと聴かされていたという記憶も。その中に、門あさ美も入っていました。ま、そんな野郎ばかりのシチュエーションではなく、本来は男女のドライブデートのお供が門あさ美だったのではないでしょうか。
ここでまたもやブレイクタイム。アルコールも出していただき、ノリノリであります。
スガシカオ 「イジメテミタイ」
そして、真打はこちら。「脱サラの星」(トーマスさん談)スガシカオです。
「イジメテミタイ」(作詞作曲編曲:スガシカオ)はデビューアルバム『Clover』(1997年9月3日リリース、オリコン10位)収録の曲です。
スガシカオは1966年生まれで、世代的には宮本浩次、斉藤和義、トータス松本と同い年です。ですが、この中では唯一、サラリーマン生活を送っており、会社勤めをしながら曲を書き溜めていったのですね(wikiでは長崎の造船所にいたことがあるとのこと)。
1995年にタワーレコードのインディーズレーベルからシングルをリリースし、1997年にKittyから正式にデビューします。すでに30歳と遅咲きのデビューです。まあ、そんな具合ですので、「♪ゴメンナサイ」といいつつも、変態的な歌詞をつづっていけるのですかね。
こちらの、女性ヴォーカルは杏子(ex バービーボーイズ)なんですが、聴いてもらった皆さん、「いわれてみれば…」という感じでした。
このふたりのつながりは所属事務所(当時、オフィスオーガスタ)が一緒であったことですね。
杏子姐さん、バービーボーイズ時代も男女の掛け合いでフロントに立つ人でした。ただ、いまみちともたかによる曲はほとんどが「痴話喧嘩」レベルのもので、ここまで生々しい表現ではありませんでした。
なお、杏子はバービーボーイズでデビューしたのですが、もともとはライヴハウスの人気バンド(喝!タルイバンド)にいた人で、対バンの男性だけの編成だったバービーに引き抜かれたのです。当時のバービーはそこまで突き抜けてなくて、杏子が入ることによって、曲のコンセプトも男女の痴話喧嘩に変え、人気が出たのです。バービーではフロントウーマンではあったものの、近藤敦やいまみちともたかの陰に隠れたような存在だったのですが、やはり何かを持っている実力者だったのですね。
こちら、杏子の5作目のアルバム『Blackthorn Cider』(1999年3月3日リリース)収録の「イジメテミタイ(DrugOn Mix)」でした。
スガシカオ盤から2年後のことで、一部、歌詞を変更し、女性側の視点から歌われています。そのため、作詞のクレジットはスガシカオ・杏子となっています。アレンジは間宮工です。また、この曲はマキシシングルとしてもリリースされましたが、チャート圏外に終わりました。
ちなみに、アルバム『Blackthorn Cider』もチャート圏外なんですが、名曲「星のかけらを探しに行こう」も収録されております。
そのマキシシングルの帯には同じ事務所の山崎まさよしが「はっきり言うて、杏子さん、シカオちゃん これメチャクチャ問題作ですわ。音楽がモラルを超えとるやないけ!」と書いていますね。
といった具合で、音楽談義はまだ続くのでした。これで、4回目かな。
デュエット曲はまだまだあるんですけどね。オーナーさん、トーマスさん、うえださん、しょうもない話にお付き合いくださり、ありがとうございました。まだまだ、ネタはありますので、次回もお付き合いくださいませ。
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