マイケルにも認められたパロディー音楽
かすてら音楽夜話Vol.206
いきなりのMichael Jackson(マイケル・ジャクソン)の「Beat It」。本日はここから、話を展開していきたいと思います。
この曲は1983年リリースでもちろんながらビルボード1位。1983年の年間チャートでも5位で、その前のシングル、「Billy Jean」(同年リリース)の方が売り上げはよかったにもかかわらず、1984年のグラミー賞では年間最優秀レコードと最優秀男性ロックパフォーマンス賞との二冠に輝くものでありました。
おまけ情報としてはあの、Edward Van Halen(エドワード・ヴァンヘイレン)が無償でギターソロを弾くということも話題になりました。ちなみに、ギターパートはTOTOのSteve Lukather(スティーヴ・ルカサー)が担当しているのですが。
ギャングの対立を歌とダンスで仲裁するという、今見れば大変陳腐な感じのビデオなんですが、当時としてはここまで歌って踊れるパフォーマーはマイケルただ一人でして、やはり同年リリースの「Thriller」のミュージックビデオにつながっていき、マイケルの絶頂期に突入していくという当時のトレンドがわかると思います。なお、この曲が収録されたアルバム『Thriller』にはなんと、7枚ものシングルが収められています。
このヒットを受けて、ミュージックビデオまでそっくりに作り上げたのが、こちら。
Al Yankovic(アル・ヤンコビック)による、「Beat It」のパロディ、「Eat It」です。
当初、オリジナル版をアップしようと思っていたところ、動画の共有ができませんでして、このようなものでご勘弁を。右側がヤンコビック版です。
こちら、パロディ音楽としては異例のヒットで、ビルボードで12位を記録しております。その後、なんと来日までして、「ベストヒットUSA」にも、出演するということにもなりました。
アル・ヤンコビックの経歴としては学生の時にラジオパーソナリティに自作のテープ(もちろん、パロディ)を送っていたところ、番組で流してもらっていたそうです。
その後、The Knackの「My Sharona」のヒットを受け、若いころから習っていたアコーディオン演奏に合わせて、「My Bologna」(「マイ・ボローニャ」)を録音し、再びラジオパーソナリティに送ります。これが、番組では好評で、The Knackのヴォーカリストで「マイ・シャローナ」の作者であるDoug Fieger(ダグ・フィーガー)が気に入って、キャピタルの副社長にレコード化することを提案したそうです。
それにしても、ラジオパーソナリティ(ドクター・ディメント)とダグ・フィーガーがいなければアル・ヤンコビックはこの世に現れていなかったということになります。
ちなみに、「ボローニャ」とは、アメリカでよく食べられているボローニャ・ソーセージのことのようです。
たとえ、英語を理解している人でも、アメリカで生活していなければわからないという曲、それがこちら。
「I Love Rocky Road」でした。元歌は、こちら。
Joan Jett & The Blackheartsの「I Love Rock'n' Roll」でした。1983年のビルボード1位で年間シングルでも3位と、マイケルの「Beat It」より上位ですね。でも、やはりマイケルの「Billy Jean」が2位でしたが。
さて、ヤンコビックの「ロッキーロード」とは何だと、検索してみました。やたらと、アイスクリームが出てくるんで「サーティワン」のようなアメリカにあるチェーン店かなと思いましたが、マシュマロにナッツをまぶし、チョコレートでコーティングされたアイスクリームのことのようです。こら、わからんわ。
ちなみに、「I Love Rocky Road」はHot100圏外ですが、106位まで到達したそうです。後半ではアコーディオンソロを披露してますね。この曲はスマッシュヒットした「Eat It」の直前のシングルです。
元歌、「I Love Rock'n' Roll」もジョーン・ジェットのオリジナルではなくて、日本にゆかりのあるアラン・メリルが在籍していたバンド、The Arrowsの曲なのでした。ジョーン・ジェットはThe Runaways解散後に渡英して、この曲に出会ったらしいです。
さて、アル・ヤンコビックもパロディを作るには色々と大変だったようです。特に、名前が売れてくると、ご本人に許可を取ったりする必要も出てきたりするので。
その後の彼は、やはりマイケルの「Bad」のパロディ、「Fat」などもリリースしますが、オリジナル曲なども出しているようです。また、レーシック手術をし、髭を剃って、髪を切るイメージチェンジも果たしました。
その姿が、こういうものですが、1999年のシングル、「The Saga Bigins」です。モチーフにしているのは、「スターウォーズ・エピソード1」の世界観で、アル・ヤンコビックはオビ=ワン・ケノービに扮していますね。
そして、元歌はDon McLean(ドン・マクリーン)の1971年の「American Pie」です。ビルボード1位獲得曲であり、年間チャート2位。おそらく、アメリカ人ならだれもが知っていて歌える曲ですね。
この他、アル・ヤンコビックはHeuy Lewis & The Newsの「I Want A New Drug」のパロディ、「I Want A New Duck」、Queenの「Another One Bites The Dust」のパロディ、「Another One Ride Tne Bus」、Madonnaの「Like A Virgin」のパロディ、「Like A Surgeon」などもあります。
特に、「Like A Surgeon」などは、声も女性的に処理しています。
シングルとしては絶大なヒットがたくさんあるわけではありませんが、アルバムはコンスタントに売れていて、なんと、2014年の『Mandatory Fun』はビルボードのアルバムチャートで初の1位を獲得しています。
我が国内でもこうしたパロディが認められる日はあるのだろうかという気もしますが。コンプライアンス等で、うるさいんでしょうね。でも、ちょっと昔の「ものまね番組」は相当なものでしたけど。
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