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2025年4月21日 (月)

アンジーまたはアンジェリーナ

かすてら音楽夜話Vol.207

1か月以上もブランクを作ってしまいました。すんません。

ちょっと旅に出ていたもので、もうひとつのブログでそっちのレポートをやっておりまして、写真をものすごく撮ってくるので、画像のちょっとした加工にも結構時間が割かれるといった状態です。

さて、今回の記事、〇で始まる人名がタイトルの曲。おそらく、シリーズ化すると思いますが、いいネタを思いついたときはランダムにそちらを挟んでやっていくつもりですので、どちらも反応よろしくお願いします。

第1回目ということで、「A」から始まる人の名前。個人的には思い入れも深い、The Rolling Stonesの「Angie」(邦題「悲しみのアンジー」)でございます。

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1973年1月、ストーンズはアルバム『Goats Head Soup』(邦題『山羊の頭のスープ』)の収録と並行しながらパシフィックツアーの一環として、初の日本公演が予定されていました。

ですが、Mick Jagger(ミック・ジャガー)らの過去の麻薬不法所持及び逮捕歴と、The Beatlesの来日時の混乱と同様の懸念を理由に、チケットが完売しているにもかかわらず、来日公演が中止に追い込まれたのです。

当時、ビートルズは解散していたにもかかわらず、FM、AMを問わず、特集が組まれ、洋楽覚えたてみたいな少年(不肖、筆者のことです)の頭に刷り込まれていたように思います。

一方のストーンズはビートルズを陽とすれば、陰のイメージ。ビートルズに対抗するバンドとしてはなかなかに不遇な扱いをされていたように思います。ビジュアルなんか全然わからないし。

特集は組まれないは、ラジオでは流れない、もちろんテレビでも報道されず、挙句の果てには来日中止ですからね。もっとも、その来日中止のニュースでストーンズという存在を知り始めたともいえますが。

さて、アルバム『Goats Head Soup』のリリースに先立ち、先行シングルとしてリリースされたのが「Angie」です。1973年10月20日付のビルボードHot 100で1位を獲得します。来日を中止に追い込んだ奴ら、ざまあみやがれといったところですが、残念ながら翌週には首位を明け渡しました。ストーンズは1週だけの1位という曲が多いんですよね。Eaglesもそうなんだけど。

 

つうことで、「Angie」聴いていただきました。

「アンジー」って、女性の名前なんだろうけど、英語の教科書にも出てこないようなどちらかというと少数派の名前なんだろうなあ…と当時の少年は思ったわけですよ。まあ、後に「Angie Dickinson(アンジー・ディキンソン)」なんて人も俳優にいるってことも知りましたが。

ちなみに、彼女はドイツ系で、アンジーは芸名です。ファーストネームはメルケルさんと同じじゃなかったかと。

さて、ストーンズの「アンジー」、シングル曲としては異例のバラードで、Kieth Richards(キース・リチャーズ)もMick Taylor(ミック・テイラー)もエレクトリックギターを一切弾かないという珍しい例ですね。そして、ジャガーさんのヴォーカルもいつになく明瞭な発音です。

もちろん、それまでのアルバム収録曲でバラードもカントリー調もありましたけど、どちらかというと地味な曲がシングルになって、世界中のストーンズフリークが期待していたであろうブルースを下敷きにしたロックではない曲で、1位を取ってしまうというのもすごいことです。ちなみに、イギリスのチャートでは1位にはなっておりません。

実はビジュアル面では「Angie」は2パターンあります。もちろん、サウンド面は同じテイク(というか、収録されたもの)を使っています。

 

ということで、2パターン目の「Angie」でした。

ギターのミック・テイラーがピアノに回っているというヴァージョン。ピアノを実際に弾いているのはNicky Hopkins(ニッキー・ホプキンス)という人です。

ニッキーさん、ストーンズのセッションには欠かせない人で、Billy Preston(ビリー・プレストン)、Ian Stewart(イアン・スチュワート)とともに、欠かせないキーボーディストなのでした。この3名、いずれもキーボードプレイヤーです。イアンさんは6人目のストーンズともいわれ、実はストーンズのオリジナルメンバーの一人でしたが、「容姿がバンドの雰囲気に合わない」という不当な理由でプロデューサーに辞めさせられましたが、マネージャー業務とキーボードプレイに関しては同行を許されたのでした。

「Angie」がこれまでのストーンズのシングルとちょっと違うと書きましたが、相変わらずベースのBill Wyman(ビル・ワイマン)の音が抑えられていることと、存在感の希薄さは変わらんな。

なお、アンジーは特定の人物ではないようです。

「Angie」と『Goats Head Soup』はダブルでビルボード1位とセールスはよかったのですが、これ以降アルバム1位はキープするものの、1978年の「Miss You」と『Some Girls』まで、シングル・アルバムのダブルの1位は獲得できませんでした。つまり、売り上げが落ちたということになります。キースのおクスリ問題もあったからですかね。

それにしても、ジャガーさん半世紀を過ぎても容姿を維持しているのがすごすぎ。81歳(1943年生まれ)にして、このたび婚約を発表したといいますからね。すでに子供もいるそうです。しかし、ひ孫もいるっていうからびっくりですわ。

1973年という年にいち早くプロモーションビデオを作っていたということが驚きであり、それも2パターン作っていたというのも凄いこと。

さて、アンジーつながりで、日本にも「アンジェリーナ」という曲でデビューしたのが、佐野元春です。

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この曲が出てきたときはびっくりでした。メロディにできるだけたくさんの言葉を詰め込むというやり方で、最初のうちは何を歌っているのか聴きとれないほどでした。まあ、慣れてきましたけど。

「何を歌っているのかわからない」といえば、サザンの「勝手にシンドバッド」もそうなんですが、桑田氏の手法は日本語を癖のある英語のようにして歌うことであって、元春ほどたくさんの言葉を使っているわけではないのです。まあ、ある意味革命的でした。桑田氏も元春も。

ただ、こうしたものがデビューシングルであったということは全く売れずに、オリコンのチャート圏外に沈んだ曲です。

しかし、彼は地道にライヴ活動を継続したことも成功へたどり着いたひとつの手段だったのですが、デビュー直後からTVK(テレビ神奈川)の「Fighting 80's」という音楽番組のレギュラーに抜擢されたり、「サウンドストリート}(NHK FM)のパーソナリティになったりして、意外にメディアには登場していたのです。

また、元春自身は関係していませんが、TBSラジオの深夜放送「林美雄のパックインミュージック」の「ユア・ヒットしないパレード」にも取り上げられ、ここで1位となり、意外と知名度はあったと思います。

 

本来ならば、オリジナル音源の「アンジェリーナ」を聴いていただきたかったのですが、ストーンズと違い製作費はまるでなしの新人ですから、違法アップロードを除き、佐野元春の公式YouTubeチャンネルには上がっておりませんでした。

こちらの映像は横浜スタジアムでのもの。バックの演奏は気心の知れたThe Heartlandです。

ま、この数年後にAngelina Jolieという人が出てくるとは、思ってもいなかったです。ましてや、彼女の父親が「真夜中のカウボーイ」のJohn Voightであるとは、さらにびっくりなのでした。

さて、Aで始まる人名の曲、まだまだあるのですが、これくらいにしておきます。次の予定はBで始まる…ですが、いくつか候補はあるものの、あまり詳しくないので、ヒントください。

んでは、また~。

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コメント

悲しみのアンジーとアンジェリーナ、時代は異なりますがどちらも懐かしい曲ですね。前者を聴いたのは、中学生の頃。ラジオから流れるこの曲に、耳を傾けていた記憶があります。後者を聴いたのは、大学時代。横浜駅の地下街でシングル盤を買ったのを、思い出しました。Aの曲は他に、エルビス・コステロのAlisonがあります。こちらも人の名前でバラードですね。

投稿: アニタツ | 2025年4月23日 (水) 18時02分

アニタツさん

わたしゃどうせ買うならLPだろということで、あまりシングルは買ってなかったです。
「いつか全部買ってやる」なんて思っていたことが、現在につながっているのかもしれません。
「Alison」なんですが、大学の時にリンダの『Living In The U.S.A』を買ったら、カバー曲として入っていました。
その後、CD時代になってコステロの『My Aim Is True』を買いました。←これ、いいヒントになったかも!

ボストンの「アマンダ」なんてのもありますよね。
Aは結構あります。

投稿: ヒョウちゃん | 2025年4月23日 (水) 19時58分

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