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2025年5月11日 (日)

有名女優Bの曲+Aの追加

かすてら音楽夜話Vol.208

今回はBから始まる人名の曲をいってみます。

なんといっても有名どころではMichael Jackson(マイケル・ジャクソン)の「Billie Jean」でしょうか。1983年リリースの曲でビルボード1位、年間シングルチャート2位です。

もう少しさかのぼると、Elton John(エルトン・ジョン)の「Benny And The Jets」があります。こちらは、1974年リリースの曲でやっぱりビルボード1位、年間シングルチャート9位でした。

個人的にはエルトン・ジョンは「Crocodile Rock」(1973年、ビルボード1位)をシングルで購入していたのですが、ジャケットを見て「なんだ、こいつは?」という印象を受け、その後はエルトンとは疎遠になりました。

この企画、人名が入るタイトルの曲ですが、作り手あるいは歌い手が男性ならば、女性のこと。女性ならば男性のことを歌ういわばラブソングとなるのが、当然なんですが、今回取り上げるのは、女性が女性のことを歌うという、ちょっと珍しい例なのかもしれません。

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<ベティ・デイヴィス>

今回取り上げるのは、1981年のヒット曲、「Bette Davis Eyes」(邦題「ベティ・デイビスの瞳」)です。

シンガーはKim Carnen(キム・カーンズ)という人で、シンガーソングライターなのですが、この曲はJackie DeShannon(ジャッキー・デシャノン)という人が書いたカバー曲になります。

「ベティ・デイビスの瞳」ですが、ビルボードで5週1位を続けたのち、オランダの企画グループStars On 45の「Stars On 45(Medley)」に首位を明け渡し陥落しました。しかし、2週後に返り咲き、4週1位を保ちました。つまりは、9週1位を獲得し、1981年の年間チャート1位になったばかりか、その年のグラミー賞、のSong Of The Year(最優秀楽曲賞)とRecord Of The Year(最優秀レコード賞)との二冠に輝いたのです。

ここに登場する、ベティ・デイビスとは、上記の画像の人ですが、アカデミー賞、最優秀主演女優賞を2回獲得した人で、ジャッキー・デシャノンが彼女の映画を見て曲の着想を得たとのことです。

 

それにしても、時代ですかね。打ち込みの電子楽器を多用した構成ですね。電子ドラムの音に合わせての集団ビンタ。ま、実際にはぶったたいているわけではないので、何ら問題ないのですが、昨今の過剰なコンプライアンスでは多少引っかかることもありそうな。

そして、キム・カーンズの何ともいえないしゃがれ声が印象的です。歌詞にはグレタ・ガルボも登場したりしますね。

この頃、個人的には日本で唯一ビルボードのチャートが掲載されている雑誌、「FM fan」を毎週購入しておりました。それを知る前はラジオ関東の「American Top 40」(湯川れい子がパーソナリティで、複数いたアシスタントはその後音楽評論家になってます)を聴いて手書きでチャートをつけていたりしました。ま、眠ったら終わりだし、自宅にいないときはつけられないので、購入したようなものです。

ともかく、「また、キム・カーンズかよ」というくらい毎週流れていて、格別好きでもないのに脳に刷り込まれてしまった1曲です。

余談になりますが、この年、Diana Ross(ダイアナ・ロス)とLionel Richie(ライオネル・リッチー)の「Endless Love」も9週1位を続けましたし、年末に1位になったOlivia Newton-John(オリビア・ニュートンジョン)の「Physical」は年をまたいで10週1位を続けました。流行りの曲は売れ続け、メガヒットとなり1位獲得曲が1970年代より少なくなってきた時代でもありますね。

同じくしゃがれ声で印象的な曲としてはこんなものも。

 

1973年のStories、「Brother Louie」でした。こちら、彼らの唯一のビルボード1位獲得曲。

そして、こちらもカバーです。元々はイギリスのバンドHot Chocolateの曲ですが、アメリカのバンドがカバーしたもの。

「ルイ」という少年のガールフレンドがアフリカルーツにルーツを持つ人で、両親に紹介したところ、別れることになったという悲しい内容です。ちなみに、ホット・チョコレートは全員がアフリカルーツで、ストーリーズは全員ヨーロッパルーツのアメリカ人です。それにしても、ソウルフルです。

まあ、「L」から始まる人名…ともいえますが。

邦楽系では山下久美子の「一枚だけのビリィ・ジョエル」(作詞:康珍化 作曲:佐藤健 編曲:鈴木茂)という曲が、デビューアルバム『バスルームから愛をこめて』に収録されているのですが、残念なことにYouTubeには上がっておりません。個人的にはアナログのLPで所有しているのですが、レコードプレイヤーが壊れていて聴けないっす。ここのところ、中古屋やBook Offを覗いてはCD盤を探しまくっているのですが、なかなか見つけられません。コロムビアさん何とかしてよ。

ググってみたらSpotifyにはあるみたいです。聴ける方はぜひとも一聴を。

おまけ「Alison」

前回のAの人名の曲、アニタツさんからご指摘があった、「Alison」は個人的に思い入れがありますので、紹介してみます。

元々はElvis Costello(エルビス・コステロ)のデビューアルバム、『My Aim Is True』(1977年)に収録された曲です。

個人的には1978年リリースのLinda Ronstadt(リンダ・ロンシュタット)のアルバム『Living In The U.S.A.』(邦題『ミス・アメリカ』、ビルボードアルバムチャート1位)に収録され、シングルカットもされたヴァージョンの方を先に知ってしまったのですね。

大学に入学し、アルバイトでちょっとしたお金が入ることになり、一体型のステレオを購入しました。その余ったお金で、このアルバムを買ったのです。リリースから1年以上あとでしたけど。

 

さすがにリンダは歌がうまいです。アレンジも原曲を踏襲しているような感じです。

ただ、この曲の内容はアリスンというかつてのガールフレンドに対する嫉妬のようなことが歌われているわけで、歌詞も変えてないですから、リンダ側がいい曲であることを踏まえたうえでカバーしたものと思われます。ちょっと女性が歌うには無理があるのかも。

ま、カラオケなどではそういうことに関係なく歌ってしまうこともあります。バンコク、オンヌット在住の某氏などは、タイの女性シンガーの曲を平気で歌いますし、プロでも堀江淳の「メモリーグラス」とか、「ちょっと端っこ歩きなさいよ」のあのお方など、ジェンダーに関係なく女性側のことを女性の言葉でも歌いますからね。

さて、リンダのヴァージョンはシングルカットはされたものの、100位以内にはチャートインしませんでした。

また、アルバム『Living In The U.S.A.』はこれまで提供を受けていたウエストコースト系の周辺のミュージシャンの曲をできるだけ抑え、チャック・ベリーからプレスリー、モータウン系のミラクルズなどのカバー曲を散りばめた意欲作でもありました。ですが、リンダにとってこれが最後のアルバムチャート1位となったのでした。

それまで、エルビス・コステロという人は名前だけは知っていましたが、やっぱりオリジナルの「Alison」が聴きたくて、後年アルバムを入手いたしました。

 

コステロのオリジナルですが、こちらも英米でシングルカットされたのですが、共にチャート入りを逃しています。ただ、アメリカのラジオでは比較的よく流れていたそうで、コステロの代表曲となっていますね。

コステロ、味あるわー。おそらく、売れなかったのはデビュー直後でもあり、よくわからなかったからなのではと思います。アルバム『My Aim Is True』はそこそこ売れているので、大衆全般に知られているというよりも、わかっている深いリスナーは確実に買っていたということでしょうか。

リンダはよほど気に入ったのか、次のアルバム、『Mad Love』(邦題『激愛』)でも、コステロに3曲発注し、収録されています。

次回、「C」から始まる人名ということになりそうですが、別のネタ探しも行っておりますので、どうなりますことやら。

こんなものもあるよという方は、コメント等でお知らせください。バナークリックもよろしくお願いします。

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