1位じゃなくちゃダメですか?
かすてら音楽夜話Vol.220
今回取り上げるのは、メジャーもメジャー、それどころかレジェンドともいえる人物ながら、シングルカットされた楽曲がチャート1位を獲得していないケースでございます。
ヒットチャート、それは選挙と同じく、民意が反映した結果だとは思いますが、勢いに乗って売れてしまったものの、それ以降鳴かず飛ばず、一発屋に終わるみたいな例も。また、日本に限っていえば楽曲の良しあしを問わず、「握手会」に乗せられて結果売れたみたいなものも。
1位獲得という偉業を成し遂げても、楽曲も人物も忘れ去られるよりは、今回取り上げる人たちは、末永く記憶に刻まれていますので、どちらが幸せなのかは明白です。
Bruce Springsteen
アメリカという国を音楽で象徴したようなのが、Bruce Springsteen(ブルース・スプリングスティーン、愛称「Boss」)です。
なんといっても、Bossといえば、この曲、「Born In The U.S.A.」です。1984年10月のリリースで、ビルボードHot100で9位、キャッシュボックスでは8位でした。
同年リリースのアルバム『Born In The U.S.A.』からの3曲目のシングルカットになります。
アルバムもシングルも星条旗が描かれ、いかにも愛国歌かのように思えるのですが、曲の内容はベトナムからの帰還兵の疎外感を歌っています。
Bossは民主党支持者でありながら、1984年のアメリカ大統領選挙で「Born In The U.S.A.」を共和党陣営がキャンペーンソングとして採用しそうになったことがあります。やはり、星条旗のイメージなんでしょうか。でも、アメリカ人なんだから英語はわかるはずでしょう。ああいった政治家たち(ブレーンも含む)は、曲なんか聴いてないんでしょうね。確か、トランプも使おうとしたように思いますが。
ところで、Bossのシングル最高位は同アルバムの先行シングル、「Dancing In The Dark」で2位に終わりました。
もともと、スプリングスティーンという人は、ライヴ重視であり、クオリティの高いアルバムをリリースしていて、あまりシングル曲にはこだわりを持っていなかったようです。ですが、プロデューサーの一人でもある、John Landau(ジョン・ランドー)にシングルの重要性を説かれ、このアルバムからは7枚のシングルがリリースされています。
「Born In The U.S.A.」は9位に終わりましたが、アメリカだけの売り上げで300万枚、トリプルプラチナム認定というすごいことになりました。
また、アルバム『Bon In The U.S.A.』も当然ビルボードHot200で1位だし、1984年の年間チャートは28位に終わったものの、翌1985年の年間チャートでは見事に1位になり、また1986年の年間チャートでも16位となってます。売り上げは驚異の1700万枚。全世界で3000万枚というモンスターアルバムとなったのでした。
★★★
佐野元春
一方、オリコンシングルチャートでいうと、佐野元春も1位を獲得してないアーティストの一人です。
映像は1997年11月リリースのシングル、「Young Forever」でした。チャート上は39位に沈んでおります。
言い訳がましく補足をすれば、もっと前の映像を使いたかったんですよね。1980年代の曲とか。その点、映像管理に権利が絡むのか、佐野元春氏のオフィシャルYouTubeチャンネルでは取り上げてないんです。
ただ、この曲はアルバム『The Barn』(オリコン17位)収録で、アルバム全体をウッドストックのスタジオで収録しております。この時のバックバンドがまた豪華で、バンド名がThe Hobo King Band。
メンバーが、ギター(リード):佐橋佳幸。ギター(リズム):Dr. Kyon。ベース:井上富雄。キーボード:西本明。ドラムス:小田原豊。
佐野元春のシングルとしての最高位は「約束の橋」の4位になります。この曲は1989年にシングルとしてリリースされ、20位に終わったものの、ドラマの主題歌の採用されたため、1992年に再録されたものがリリースされ、4位になったものです。
シングルでは1位を取れなかったものの、一時は飛ぶ鳥を落とす勢いがあったことも。アルバムチャートではニューヨーク録音の『Visitors』(1984年)と渡米前のベストアルバム『No Damege』(1983年)が1位になってます。
ただでさえ、芸能界どっぷりのアイドル系に割って入り、ベストアルバムで1位になるということが当時としては偉業ともいえますね。
また、コラボ作品の「時代遅れのRock'n'Roll Band」(2022年)がオリコンデジタルチャートで1位となり、NHKの紅白出演も果たしました。
◆◆◆
シングルチャートといっても、ビルボードとキャッシュボックスでは集計方法も異なりますし、メディアでの放送回数なども加味されたりで、一概に売り上げだけではないのですが。
日本の場合だと、一過性の人気がすぐにチャートに反映されるのはいいのですが、Book Offなどを見て回ると、山のように積み上げられ、1枚330円で売られているかつての人気作品もありますからね。その点は「1位じゃなくちゃダメですか?」っちゅうことになります。
逆に、1位を取るということはすごいことでもあり、The Beatles(ビートルズ)のメンバーが解散後に全員がシングル1位を獲得していたり。また、グループの超絶なヴォーカリストでも、ソロで1位を取れないなんてことも。Mick Jagger(ミック・ジャガー)やFreddie Mercury(フレディ・マーキュリー)など。Eagles(イーグルス)のDon Henley(ドン・ヘンリー)とGlenn Frey(グレン・フライ)もそのケースです。
結局はチャートだけでなく、いかに人々の心に深く印象が刻まれるかということなんでしょうね。
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