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2026年1月 3日 (土)

カバーでナンバーワン

かすてら音楽夜話Vol.219

あけましておめでとうございます。

かすてら音楽夜話、本年も頑張っていきますので、よろしくお願いします。引き続き、ご愛顧のほどを。

さて、新年1発目は、カバー曲なのに1位を取っちゃったいくつかをご紹介します。

では、こちらをお聴きください。

I Love Rock'n Roll

 

おなじみ、「I Love Rock'n Roll」なんですが、なんか違和感が。男性ヴォーカルだし。

つうのも、これぞこの曲のオリジナルで、イギリスのバンド、The Arrows(アローズ)が1975年にリリースしたシングルなのであります。作者は、Alan Merril(アラン・メリル、ベース、ヴォーカル)とJake Hooker(ジェイク・フッカー、ギター)名義になってますが、実際にはメリルが書いたものです。

なんで共作名義にしたのかというと、メリルの借金返済のためだといわれています。

音源は同じものですが、演奏シーンが入った映像付きのものはこちら

いやあ、スリーピースバンドながら、十分イカしてますよね。

Joan Jett & The Blackhearts(ジョーン・ジェット&ザ・ブラックハーツ)がなんでこの曲をカバーしたかというと、The Runaways(ランナウェイズ)がイギリス公演中、テレビでアローズの演奏を見たのがきっかけだったようです。アローズはイギリスでテレビ番組を持っていたんですね。なお、ランナウェイズは本国アメリカよりも日本をはじめとする外国のほうが人気がありました。

それで、ランナウェイズでカバーするつもりが却下され、ジョーン・ジェットが新たに結成したバンドで演奏し、1981年にBillboard Hot 100(シングルチャート)で7週間1位という、偉業を成し遂げたのです。年間チャートでっも3位でした。

 

ジェット姐さんのヴァージョンはこちら。映像はTop Popという番組用のものみたいですが、音源はオリジナルを使用してます。また、アローズの原曲に忠実なアレンジをしてますね。なお、彼女たちの次のシングル、「Crimson And Clover」も実はカバー曲なのでした。

近年のジェット姐さんの映像もありましたが、タトゥは入ってるわ、声は力がないわで、やっぱ昔のほうがいいですよね。

なお、アローズはイギリスを拠点にしていたバンドながら、メリルとフッカーはアメリカ人です。

なお、メリルは音楽一家で、母親が著名なジャズシンガーのHelen Merril(ヘレン・メリル)です。この人の経歴も変わっていてアローズ結成以前は来日し、天下のナベプロに所属し活動をしていたようです。ウォッカ・コリンズというバンドも組んでいて、筆者は今はなき日清パワーステーションでのイベントでライヴを見たことがあります。残念なことですが、2020年にコロナでお亡くなりになってます。69歳でした。

ま、ジェット姐さんにはこの曲を紹介してもらったことに感謝ですかね。

Everytime You Go Away

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イギリスのブルーアイドソウルシンガー、Paul Young(ポール・ヤング)が1985年にリリースしたシングルで、ビルボード1位、ビルボードアダルトコンテンポラリー部門1位、キャッシュボックス1位、ビルボード年間チャート11位という、ヤングの最大のヒット曲です。

オリジナルはDaryl Hall & John Oates(ダリル・ホール&ジョン・オーツ、ホール&オーツ)が1980年にリリースしたアルバム『Voices』(邦題『モダン・ヴォイス』)に収録された曲で、シングルカットはされていません。

ヤングのヴァージョンもオリジナルに近いものがありますが、演奏にシンセサイザーや電子ピアノを使っていて、個人的には違和感を覚えます。

 

こちらが、ホール&オーツ版。彼らもヨーロッパ系のアメリカ人ながら、ブルーアイドソウルを得意としていました。まあ、その後、『Voices』以降、シングルカットされた曲が続けて1位になるなど、デュオとしてはSimon & Garfunkel(サイモン&ガーファンクル)に肩を並べるようなところまで行ってしまいましたが。

個人的には聴きなれたホール&オーツのほうが、好きですねえ。

ところで、ホール&オーツにもカバー曲があって、同じく『Voices』収録の「You've Lost That Lovin' Feelin'」(邦題「ふられた気持ち」)です。オリジナルはThe Righteous Brothers(ライチャスブラザース)の1964年のヒットで、ビルボード1位、年間チャート5位でした。ホール&オーツ版はシングルカットされ、12位まで上昇。これがきっかけでもないのでしょうが、次のシングル「Kiss On My List」が1位となり、快進撃につながるのでした。

Without You

 

こちら、Hurry Nilson(ハリー・二ルソン、日本では二ルソン)Mariah Carey(マライア・キャリー)のヒットで有名な「Without You」のオリジナルヴァージョンです。

特に、ニルソンのカバーは1971年にリリースされ、4週連続のビルボード1位、年間チャート4位となりました。ちなみに、マライア版は3位ですが、イギリスで1位となり、世界的ヒットとなったようです。知らんけど。

このオリジナルを作ったのが、イギリスはウェールズ出身のバンド、Badfinger(バッドフィンガー)でした。1970年、アルバム『No Dice』に収録された曲で、シングルカットはされていません。

作者はバンドメンバーのPete Ham(ピート・ハム)とTom Evans(トム・エヴァンズ)です。なんと彼らはビートルズが作ったApple Record所属でした。

バッドフィンガーは悲劇のバンドともいえ、詐欺師まがいのマネージャーと契約し、ワーナーと契約するものの、そのマネージャーが悪徳でワーナー側から支払われる巨額な金額をすべて自分の会社に入るようにし、バンドへはわずかな月給を支払うようなことを行っていました。そのため、金銭的に行き詰ったハムは自殺してしまいます。

その後、バンドは解散し、1978年に再結成します。しかし、「Without You」の利権をめぐり、エヴァンズがメンバーと対立し、法廷闘争になりますが、それに疲れたエヴァンズも1983年に自殺してしまいます。これで、完全にバッドフィンガーは終焉を迎えました。

考えようによっては「Without You」も罪作りな曲なんですねえ。

Got My Mind Set On You

 

なんと、George Harrison(ジョージ・ハリスン)の「Got My Mind Set On You」もカバー曲だったのです。

1987年にリリースされ、ビルボード1位、1988年の年間チャート3位でした。

オリジナルはJames Ray(ジェームス・レイ)というリズム&ブルースシンガーが1962年にリリースしたシングルのB面で、作者はRudy Clark(ルディ・クラーク)という人です。

この曲はジョージの最後のナンバーワンヒットであるばかりでなく、ビートルズのメンバーとしても現在のところ最後の1位獲得曲になります。つまり、これ以降、リンゴもポールも1位を取っていないということになります。

この曲が収録されたアルバム『Cloud 9』には、Jeff Lynne(ジェフ・リン、元ELO)が参加していて、これがきっかけとなって、覆面バンドのTraveling Wilburys(トラベリング・ウィルベリーズ)が結成されたのでした(メンバーはジョージ、リン、ロイ・オービソン、ボブ・ディラン、トム・ペティ)。

◇◇◇

その他にも、Shocking Blue(ショッキング・ブルー)「Venus」(ビルボード1位)をカバーしたBananarama(バナナラマ)も1位だったり。Little Eva(リトル・エヴァ)「Locomotion」(ビルボード1位)をGrand Funk(グランドファンク)がカバーし、これも1位。「Locomotion」に関しては世界中でカバーされ、フランスのシルヴィー・バルタンも本国で1位。日本では伊東ゆかり(当時はオリコンがなく、チャート不明)、ゴールデンハーフもカバーしてます。

胸糞が悪いのは大みそかの紅白にも出場した沖縄出身の某グループが当初は自身が作者であるとして、「ロコローション」というタイトルでオリコン1位を取ったものの、「Locomotion」の制作サイドからクレームが付き、作者がのちにGoffin-Kingに改められております。こいつら、CDシングルに収録していた「Orange Boat」という曲も自作だとしていましたが、ハリー・べラフォンテの側からもクレームがついて、彼の「Banana Boat」のカバーであると改められています。まったく、ふざけた野郎どもだよ。消えてほしい。

◇◇◇

また逢う日まで

日本の曲では尾崎紀世彦の「また逢う日まで」がズー・ニー・ヴーの「ひとりの悲しみ」という曲のカバーです。阿久悠&筒美京平コンビの名曲で、レコード大賞、歌謡大賞のダブル受賞で、もちろんオリコン1位。なのに、年間チャートで3位。1位は「わたしの城下町」2位が「知床慕情」でした。

「ひとりの悲しみ」はヒットせず、阿久悠氏が詞を書き直し、尾崎に提供したものです。

 

「ひとりの悲しみ」、実はカラオケにあったりしますけど。また、『筒美京平 Golden History』(コロムビア盤)に収録されてます。このYouTubeは違法アップロードです。

もうひとつありますが、共有できないんですよね。リンク貼っておきます。町田義人氏のダイナミックな歌唱、尾崎氏とまた違っていいですわ。

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コメント

「また逢う日まで」意外でしたね。カバー曲だったんですね。このズーニーヴー版は興味深いですね。それにしても阿久悠氏の凄さを再認識しました。

投稿: アニタツ | 2026年1月22日 (木) 16時26分

アニタツさん

ズー・ニー・ヴーも奥が深くて、町田義人氏が脱退後、山本翔という人が加入しました。
「和製ミック・ジャガー」なんて呼ばれてまして、のちにソロデビューしてシングルが数枚出たのですが、それっきりでした。アルバムもあったかもしれませんが、未だ再発されないままの埋もれた人です。すでに故人なんですが。
彼の音源は、佐野元春のデビューアルバム『Back To The Street』収録の同名のタイトル曲で、元春とデュエットしてますね。
結構インパクトありますよ。記事にしようかとしたこともありましたが、YouTubeに上がってませんで、断念しました。

投稿: ヒョウちゃん | 2026年1月22日 (木) 20時34分

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