カテゴリー「Music Talk」の173件の記事

2023年11月16日 (木)

祝・紅白出場

かすてら音楽夜話Vol.173

大みそかに行われる第74回紅白歌合戦の出場者が決定いたしました。

今年はジャニーズ問題があって、旧ジャニーズ系の人たちはアウトになったというミソはつきましたが、個人的に気になるグループが2組出場するので、記事にしたいと思います。

まずは

新しい学校のリーダーズ

Mj0045

アルバム『若気ガイタル』(2019年)より借用しておりますので、現在の姿と微妙に異なりますが。

このところ、かなりマスメディアに取り上げられていますので、ご存じの方も多いかと。かくいうワタクシも数か月前にTOKYO MXの「5時に夢中!」で初めて見まして、何かブレイクの予感はつかんでおりました。この若さで昭和の匂いを振りまき、まるで1970年代にタイムスリップしているような感覚でございます。

メンバーは、画像の右から。

MIZYU  リーダーで最年長の1998年生まれ。ツインテールのヘアスタイルが特徴。
RIN    現在はパーマにサイドを刈り上げたツーブロックが特徴。2001年生まれ。
SUZUKA 主にリードヴォーカル。レンズの入らない伊達メガネが特徴。2001年生まれ。
KANON  黒髪のストレートヘアが特徴。2002年生まれ。

という4人組です。ダンスヴォーカルユニットということで、振り付けは彼女ら自身で行っているほか、作詞も行います。また、SUZUKA以外のメンバーがリードヴォーカルをとる曲もあります。

なんとデビューは2015年でMIZYUが高2、他の3人が中2の時。CDデビューは2017年ですが、それ以前から企業とのタイアップと配信でメディアには出ていたようです。でも、現在のような勢いはなく、それでも2021年にアメリカを拠点とする88risingというレーベルと契約し世界デビューを果たしております。

すでに海外でのライヴ活動も積んでいて、経験は十二分。2020年のデジタル配信シングル「オトナブルー」の首振りダンスが話題となり、あれよあれよという間にメディアの話題をかっさらっていきました。

 

この「オトナブルー」はTHE FIRST TAKEというYouTubeチャンネルのもので、基本的に一発録りということになってます。まあ、これくらいは海外のライヴで鍛えられた彼女たちには何でもないことなのかも。末恐ろしいですね。

アルバムを購入したんですけどね、やはりというかビジュアルが伴ってないと面白くないんです。まあ、そのうちDVDおよびブルーレイもリリースされるでしょうから、その時を期待しましょう。

どこか昭和の香りが漂う4人組。実は『若気ガイタル』では阿久悠氏の未発表の詞に曲をつけて歌っているんですよね。メンバー誰もがリードヴォーカルを取れて、コーラスもばっちり。そして自らの振り付けもイケてるとなると、乃木坂とかAKBあたりをすでに超越しているような気もします。

紅白ではバックのオーケストラの演奏は難しいですね。ライヴと同じようにオケを流してパフォーマンスをすることとなるでしょうね。いや、むしろオーケストラがこの演奏を再現できるほうが凄いことなんですが。

紅白ももちろんですが、今後の活動も注目していきたいですね。

エレファントカシマシ

前回2017年の時はやはりというか、「今宵の月のように」を演奏しました。今回それはないだろうなと思います。

今回の演奏曲を予想してみます。

まずは「俺たちの明日」が本命ですか。

そしえ、「風と共に」が対抗。この曲はNHK「みんなのうた」で流れ、その後「スポーツXヒューマン」という番組でも使われています。

ミヤジはNHKの少年少女合唱団出身ですし、エレカシも「ポップジャム」をはじめ、数々のNHKの番組に出演していて、NHKとの相性はいいんですよね。ま、今回は旧ジャニーズ系が出ないので、困ったときのアミューズ(事務所)といったところでしょうか。もう常連の福山雅治、星野源に加えて、北海道以外の仕事で業務提携する大泉洋までシンガーとして出ますからね。

でも、こんな曲も聴いてみたい。

 

「デーデ」。デビューシングルです。たぶん、ないだろうけど。

今年、2曲のシングルをエレカシとしてリリースしてますが、ま、それはないだろうなと思います。とにかく、日本のロックバンドとして若手に負けないでほしいですね。

またも訃報です

作詞家の三浦徳子(みうらよしこ)さんがお亡くなりになりました。

個人的には松原みきの「真夜中のドア」、「ニートな午後3時」でのインパクトのある言葉が印象的です。特にサードアルバム『Cupid』では全曲三浦さんの作詞で、これを大村雅朗氏のアレンジで、なかなかに黒っぽい作品に仕上がっているんです。

その他、浜田省吾のカップヌードルタイアップ、「風を感じて」、吉川晃司の「モニカ」、郷ひろみ「お嫁サンバ」等々、挙げればきりがないほどの作品を手がけましたね。

 

松原みき「Dream In The Screen」(作詞:三浦徳子・松原みき 作曲:松原みき 編曲:大村雅朗)を聴きつつ。合掌。

かすてら音楽夜話ではリクエストも募集しております。コメント欄でお知らせください。また、バナークリックにも協力お願いします。

人気ブログランキングでフォロー 

音楽評論ランキング
音楽評論ランキング 

「#jpop」人気ブログランキング 

「#シティポップ」人気ブログランキング 

| | | コメント (0)

2023年10月27日 (金)

全員天国で…

かすてら音楽夜話Vol.172

このところ、訃報続きなんですが。

ハナ肇とクレージーキャッツのメンバーで俳優の犬塚弘さんがお亡くなりになりました。残念なことですが、御年94歳ということで、天寿を全うしたことと思います。

Mj0044

犬塚さんはクレージーただひとりの存命人物でしたが、これでメンバー全員が星になったということです。つうことで、今回はハナ肇とクレージーキャッツについてのお話です。

彼らは渡辺プロ所属で「シャボン玉ホリデー」で一躍有名になりました。彼らがミュージシャンなのかという疑問をお持ちの方もいるでしょうが、出自は全員ジャズバンドにいた人たちです。テレビではコントや音楽を生かしたギャグなどを演じていましたが、その演奏能力は高いものがあるんです。

谷啓氏は賞にノミネートされたこともあったようです。

 

メンバー構成を見ていきましょう。

ハナ肇(ドラムス、リーダー、バンド創設者)
植木等(ギター、ヴォーカル)
谷啓 (トロンボーン、ヴォーカル)
犬塚弘(ウッドベース)
安田伸(サクソフォーン)
石橋エータロー(ピアノ)
桜井センリ(ピアノ)

植木さんと谷さんは「フランキー堺とシティスリッカーズ」からのちに加わったメンバーです。また、桜井さんは石橋さんの結核治療中に代役のような形で加わりましたが、石橋さんの復帰後もメンバーにとどまり、石橋&桜井のピアノ連弾もひとつの売りになったものです。

さて、彼らは同じジャズ出身であった渡辺晋が社長を務める「渡辺プロ」に所属し、テレビだけでなく植木等をメインにシングルをリリースし、これがヒットします。同時期に映画にも進出し、植木等主演の「無責任シリーズ」、「日本一シリーズ」、メンバーがすべて登場する「クレージー」シリーズを東宝から続々と発表します。

ナベプロのスターといえば「ザ・ピーナッツ」、スパーク三人娘の伊東ゆかり、中尾ミエ、園まり、スリーファンキーズ、時代はやや後になりますが、ザ・タイガースなどがいたわけですが、狂言回しのようでありながら実はクレージーがその中心にいたのです。それは、「シャボン玉ホリデー」と同時並行で数多のシングル、主演映画の数を見れば明らかです。

しかも、これらはいずれもヒットし、東宝や東芝レコードのドル箱ともいえる存在でした。同じくナベプロ所属で「全員集合」等のレギュラー番組を持ったドリフターズと比べても圧倒的な差があるのですね。ま、ドリフの場合は明らかにコント中心で、映画や楽曲にはシフトしてないという事実もありますけど。

ところで、クレージーの全盛期は1960年代です。お前(筆者)はいくつなんだといわれそうですが、我が家の日曜日夕方は「てなもんや三度笠」~「シャボン玉ホリデー」という流れではあったんです。とはいえ、当時の記憶はほぼ薄れてまして、その後の1983年、NHKで局を超えた「テレビ放送30年」という特番でかつての名物番組を放送したんです。たまたまですが、当時高価であったビデオデッキをバイトのお金で手に入れ、これを録画することができました。そこに、「てなもんや三度笠」も「シャボン玉ホリデー」も入っていたんです。

また、その1,2年前にクレージーのシングルが5枚復刻され、これを中古盤で手に入れたりしていました。かすかな記憶がよみがえります。また、大瀧詠一監修のもと制作された企画アルバム『Crazy Cats Delux』を購入し、ほとんどのシングルを聴くことができました。

そんな中からワタクシのお気に入り、こちらをお聴きください。

 

「ショボクレ人生」(作詞:青島幸男 作曲:萩原哲晶)でした。映画「ニッポン無責任野郎」の挿入歌です。ちなみに、これはシングルのB面でA面は「これが男の生きる道」(作詞作曲同じ)となってます。

A面がマイナーコードでB面がメジャーコード。でも、内容はほとんど同じ。さすがは青島幸男のセンスなんですが、現在ではアウトな内容も含まれてますね。

「ショボクレ人生」ですが、『Crazy Cats Delux』にも収録されてないレアな楽曲です。

さて、天国のクレージーの面々、今頃あっちの世界でザ・ピーナッツも加えて大人のコントをやっているのかもしれませんね。

それでは…ガチョーン!こりゃまた、失礼しました。

リクエスト募集中です。バナークリックにもご協力お願いします。

人気ブログランキング
人気ブログランキング

音楽評論ランキング
音楽評論ランキング

「#jpop」人気ブログランキング 

| | | コメント (4)

2023年10月17日 (火)

三度目のSunflower Place+谷村新司

2023年9月28日(木)~10月1日(日)

Bcc0057

<PowerShot>

今回の旅で前半のバンコクで3泊した宿について。

このSunflower Placeという宿はサラデーン・シーロムエリアにありますが、まったく大通りには面してなくて、静かなところです。

2019年の3月と、2019年から2020年にかけての年末年始(この時は間にカンチャナブリーに行き、戻ってきてまた泊まりました)にも利用していて今回が3回目、厳密にいうと4回目ということになります。つまりは気に入っているのです。

Bcc0065

<PowerShot>

通常のシングルで予約しましたが、キングサイズベッドのエコノミーダブルルーム利用となりました。シングルに空きがなかったのでしょう。

このクラスの料金だと部屋がベッドで占領されてしまい、キャリーバッグを広げるところもない、という感じですが、18平方メートルあり、かなり余裕があります。ちなみに、エコノミーダブルルームは初めての利用でした。通常のシングルでもベッドが小さくなるだけで、やはり18平方メートルあります。

この18平方メートルがこの宿で一番狭い部屋になります。

Bcc0066

<PowerShot>

部屋の備品はこんな感じです。

大型冷蔵庫。液晶大型テレビ。デジタル式のセーフティボックス。この部屋には窓がひとつだけですが、カーテンとブラインド上の目隠しもあります。それでも、外の様子(特に天気)はよくわかります。

シングルの窓は小さなバルコニー付きです。また、バスルームの位置が微妙に違いますね。

Bcc0067

<PowerShot>

ベッドサイドはこんな感じです。

電気スタンドはほぼ使わず。コンセントは多いほうなので、充電には困りません。

ただし、部屋の電気は鍵に付属のプラスティック片をスリットに差し込むと作動するので、部屋を出ると充電が中断してしまいます。充電作業はできるだけ部屋にいるときだけに済ますのがいいでしょう。なお、USBの挿入口はありません。

部屋に椅子というものがないのが唯一の欠点でした。わたしゃ、更新作業をこのベッドサイドのテーブルで行いましたが、テーブルをやや動かし、ベッドに腰掛けながらという状態でした。ま、タブレットだったのであまり問題なかったのですが、PCだとかなり不自然な姿勢になることでしょう。

なお、通常のシングルには椅子がありました。

Bcc0068

<PowerShot>

バスルームです。洋式のトイレに洗浄ノズル。タイのホテルの標準ですね。

もちろん、バスタブはなくシャワーのみとなります。トイレとの間に低めの段差があって、水の流出もほぼありません。

シングルルームのバスルームはもう少し広めですが、これでも全く問題ありませんね。

Bcc0069

<PowerShot>

洗面台です。アメニティ類は石鹸とシャンプーのみ。中央に写っているものはワタクシの私物です。

Bcc0070

<PowerShot>

ダブルルームということで、フェイスタオル、バスタオルとも2セットありました。ケチなところだと、清掃の際にひとり分にされてしまうことがしばしばありますが、清掃後もちゃんと2組用意されてました。

そして、タオルが以前よりもよくなってました。アメニティの石鹸も以前は使うと油臭くなる安物(タイのホテルはこれが多い)でしたが、そういうにおいのしないものに変わってました。シャンプーについては自前を使っていたのでよくわかりません。あしからず。

Bcc0156

<PowerShot>

レセプションです。

以前は24時間対応だったのですが、現在は9:00から17:00まで人がいることになってます。これもコロナの影響でしょうか。

スワンナプームからこちらに到着したのが18:00をかなり回っていた時間です。もしかしたら、この日に新規の客が来るということで残っていてくれたのかもしれません。このあたりは予約サイトで記述がありませんでした。ほぼ日本から到着する便については直行便でもアウトな時間となるので、予約の際に到着予定時間を知らせるメッセージを残すといいかもしれません。

玄関はチェックインの時に渡されるセンサー付きのカードを機械にかざすと、鍵が開くので無人でも出入りに問題はありません。

Bcp0030

<KP/DA18-50mm>

ゲスト以外はこの先行けませんよの表示。同時にタイで解禁された「アレ」も禁止のマーク。ドリアンもダメです。

また、以前は外出時に鍵を預け、戻ってくるとレセプションでミネラルウォーターをくれたのですが、現在は鍵はチェックアウトまで持っていていいことになってます。ミネラルウォーターも冷蔵庫の上に補充してくれます。エコノミーダブルでは水も2本になります。

以前は朝食もついていましたが、現在は暫定的に止めているとのことです。同時に無料のコーヒー(インスタントですが)サービスはなくなり、部屋に電気ポットが付き、スティックコーヒーとティーバッグが用意されています。

では、朝食はどうするかというと、5分ほどのところに朝からやっている市場のようなところがありますので、それほど問題はないかと。

Bcc0145

<PowerShot>

何かあったら電話しろとのことですが、どうやらこの宿は周囲の建物と一体化しているようで、すぐに対応してくれる可能性が高いです。

この画像はシーロムSoi6側からのものですが、宿の左隣がヘアカット、右隣がコインランドリーとなっていて同一経営みたいなんです。宿の前の通りは屋根付きの商店街のような感じですが、宿の中にコインランドリーとつながるような空間があったり、宿泊者が使わないような階段があったりします。それに、左の建物(宿側)から右の建物に通じるような通路が設けられてますので、宿関係者はこのどこかにいるのではないでしょうか。

ちなみに、エレベーターもあります。

ここに来る時、ちょっと大変でした。と、いうのも、夕方からものすごいスコールとなり、MRTシーロム駅を出た時にはほぼやんでいたのですが、パッポンは水浸しでしたし、シーロムSoi6もかなり冠水していました。

雨季以外だったらまた使うと思います。ま、戻ってきたときは別の宿に泊まったのですが、その理由はまた後で書きます。かなりあとになると思いますが。

全体的に清潔な宿です。静かだしね。1泊あたり約3500円でした。コロナ以前とあまり変わらない価格設定ですかね。おススメです。

Sunflower Place

閑話休題。

かすてら音楽夜話Vol.171

谷村新司氏がお亡くなりになりました。

個人的には「昴」とか「サライ」とかはあまり好きじゃないんですが、アリスのベストアルバムは所有していたりします。

1948年生まれなんすね。アリスというと、高校・大学の国内旅行で泊まるのがユースホステルということで、「ミーティング」と称する時間に吉田拓郎とともにずいぶんと歌わされた思い出があります。

大学入学前の春休み、倉敷のユースにだいぶ早い時間に到着すると、ミーティングルームでひとりギターを弾いている大学生がいて、「ちょっと歌おうか」と誘われ、それからは「今はもう誰も」、「冬の稲妻」、「涙の誓い」、「ジョニーの子守歌」などなど歌いまくりました。

また、大学の新歓では同級生3人で「アリス」と称してアカペラで「冬の稲妻」をやったような記憶が…。

随分と年上の人ですけど、当時は谷村氏より若い世代があまりメジャーではなかったからなあ。浜田省吾も全然有名じゃなかったし、佐野元春もデビューすらしてなかった。

つうことで、この曲を。

 

「チャンピオン」(作詞作曲:谷村新司)でした。アリス唯一のオリコン1位獲得曲です。

このチャンピオンとは、モデルがいまして、東洋ミドル級チャンピオンだったカシアス内藤氏のことです。

カシアス内藤ですが、沢木耕太郎の「一瞬の夏」にも登場するんです。というか、彼を追ったドキュメンタリーです。すっかり落ち目になった内藤氏は当時世界ジュニアミドル級チャンピオンであった輪島功一氏とノンタイトル戦で対戦し、倒し倒されのどつき合いをしたものの、壮絶に散っていったという一戦があるんです。

沢木さんも輪島氏を追った短編、「ドランカー」「コホーネス」という作品がありますね。

谷村さん、安らかに。

★かすてら音楽夜話ではリクエストも募集しています。コメント欄でお知らせください。バナークリックもよろしくお願いします。

人気ブログランキング
人気ブログランキング

海外旅行ランキング
海外旅行ランキング

音楽評論ランキング
音楽評論ランキング

「#東南アジア」人気ブログランキング

「#jpop」人気ブログランキング 

| | | コメント (2)

2023年9月 9日 (土)

アウトテイクだらけで全米1位ゲット

かすてら音楽夜話Vol.170

Ms0026

この記事を書こうとしていて、タイミングよく入ってきたのが、The Rolling Stones(ローリングストーンズ)、18年ぶりのスタジオアルバム『Hackney Diamonds』リリースのニュース。

一昨年、ドラムスのCharlie Watts(チャーリー・ワッツ)が亡くなり、メンバーが3人になってしまったストーンズ。しかも、Mick Jagger(ミック・ジャガー)とKieth Richards(キース・リチャーズ)は今年傘寿の80歳、Ron Wood(ロン・ウッド)は76歳というどこから見ても老人の集まりに、どこにそんなパワーが宿るのかホントにぶったまげました。

しかも、新曲の「Angry」が9月7日付でリリースされ、すでにYouTubeにプロモーションビデオがアップされております。

 

映像は過去のツアーのものを一部流用していますが、もちろん音は最新。

聴いている分には1980年代と何ら変わりません。これも驚異。

さて、ここからが本題です。

お馴染み、「Start Me Up」(1981年)、1980年代を代表するストーンズの曲で、近年はツアーのオープニング曲で使われることの多い、ストーンズの代名詞みたいな曲でもあります。

チャート上ではビルボードHot100(シングルチャート)で2位止まりでした。当時の1位である、Daryl Hall & John Oates(ダリル・ホール&ジョン・オーツ)の「Private Eyes」か、オリビアの「Physical」に阻まれましたね。

アメリカのもうひとつの権威あるチャート、Cash Boxでは1位になっているはずですが。ビルボードとキャッシュボックスは集計方法が違うのですね。

さて、この曲が収録されたアルバム『Tattoo You』(邦題『刺青の男』、1981年)ですが、これまた大ヒットし、ビルボードHot200(アルバムチャート)では1位に輝きます。この当時のストーンズはセールスも好調で、1971年のアルバム『Sticky Fingers』からこの『Tattoo You』まで8作連続の1位を獲得しています。

しかし、この1980年はじめの時期、ミックとキースの関係がいいものではなく、それでもストーンズにはアルバムリリースの要求が強まっていたのでした。

そして、『Tattoo You』の前のアルバム『Emotional Rescue』ではツアーに出なかったため、次のアルバムでツアーに出るというプレッシャーもかかっていたのです。

ストーンズのソングライターはミックとキースです。デビュー直後はミックが作詞し、キースが曲を作るというコンビだったようですが、この組み合わせで「Jagger/Richards」(キースは本名ではないKieth Richardを名乗っていた時があり、この時までは「Jagger/Richard」)を共同名義としてクレジットされていました。

The Beatlesの「Lennon/McCartney」と同じです。

ですが、キャリアを積むことで、それまでのそれぞれのアイデアを持ち寄って曲を仕上げることから、それぞれが曲を作ってきてそこにバンドとしてアイデアを加える形に変わってきました。つまりは、「Jagger/Richards」とクレジットされていても、ミックの曲、キースの曲となっています。これはビートルズも同じ。

さて、そこにニューアルバムのリリースということが重なってきます。前作『Emotional Rescue』までのストーンズは長時間スタジオにこもって曲をいくつものテイクを収録し、さらには別のスタジオでミックスダウンするという具合で、1枚のアルバムをリリースするまでかなり長いスパンを必要としていました。

しかし、この時はそんな時間がありません。そこで取られた手法が、それまでお蔵入りしていた曲を活用するというものでした。事実、「Start Me Up」はアルバム『Black And Blue』(1976年)から『Some Girls』(1978年)にかけて曲が成立していたものの、アルバムからは選に漏れた曲でした。

ただし、『Tatoo You』リリース時にはこのことは明らかになっていませんでした。

 

こちら、『Tattoo You』収録の「Slave」(邦題「奴隷」)です。シングルカットはされていません。

この曲も「Start Me Up」と同じ頃に存在していたといわれています。

アルバム中の11曲のうち、10曲がお蔵入りしていたものだといわれています。とはいえ、以前の収録をそのまま持ってきたのではなく、それらを基にしてオーバーダビングやコーラスの追加、それまでになかったパートの追加などの処理をしていて、とてもお蔵入りしていたものとは思えない出来に仕上がっています。

この「Slave」ではジャズ界の巨匠ともいえるSonny Rollins(ソニー・ロリンズ、サックス奏者)を起用しました。史上最強のライヴバンドであるからこそ、成立したコラボということでしょう。余談ですが、ストーンズにはブラスセクションはありませんが、サポートメンバーであるBobby Keys(ボビー・キーズ、故人)という人がいて、「Brown Suger」でのサックスソロが有名ですが、この時は一時的にサポートから外れていたのでした。

また、ストーンズのコーラスあるいはバッキングヴォーカルは主にキースとロニーが行っていましたが、掛け声みたいなもので、コーラスとしての体はなしていないものが多かったです。それでも、収録にはリードヴォーカルであるミックもコーラスを担当し、なんとかしておりました。この「Slave」をはじめ、『Tatoo You』ではミックのコーラス部分をかなり重厚にして、それまでのラフな形は見せないように仕上げました。

そして、ここが重要なのですが、Bob Clearmountain(ボブ・クリアマウンテン)というミキサーを初めて起用し、サウンド全体を明確に仕上げてきたのがこのアルバムでした。

正直申しますと、レコード時代のLPではあまりよくわかりませんでしたが、CDになって『Tattoo You』以前の作品と聴き比べてみると違いははっきりとわかります。ただ、近年発売されたリマスター盤では、どのアルバムもかなりクリアに仕上がっていて、違いは少なくなっているかもしれませんが。

それでは、最後にこの曲を聴いてお別れしましょう。

 

「Black Limousin」でした。ロニーがクレジットされた数少ない曲です。

映像は1981年のUSツアーから。キースもロニーもタバコ吸いまくりですねえ。映像にはありませんが、この時ベースのBill Wyman(ビル・ワイマン)もステージで吸ってました。時代ですね。

とにかく、『Tattoo You』はアメリカだけで400万枚の売り上げがあり、その後のUSツアーとヨーロッパツアーが大盛況になり、USツアーを基にしたライヴアルバム『Still Life』がリリース、ビルボードHot200で5位となり、バンドはさらにリッチになっていくという絵にかいたような成功を収めたのでした。

今やストーンズはビッグになりすぎていて、もはやチャートを追うようなことは狙ってないのですが、アルバムチャートでは『Tattoo You』が最後の1位。シングルでは「Miss You」(1978年)が最後の1位なんです。

果たして、アルバム『Hackney Diamonds』とシングル「Angry」がどの程度チャートで上昇するか気にしてみます。これでどちらかが1位を取ったら史上最高齢です。日本だったら、矢沢やユーミン、達郎にまりやがそこまでやるかということですな。

おまけ

ジャニーズの件、実はThe Rolling Stonesにも関係していて、SixTONESを「ストーンズ」と読ませるようにしたというのは、ジャニー氏だったということです。まったく、リスペクトのかけらもないのかよ。でも、メジャーになり切れなかった「イーグルス」というグループもいたそうですよ。

かすてら音楽夜話ではシンガー、グループ、楽曲等のリクエストも受け付けています。できる限り対応しますので、コメント欄でお知らせください。

バナークリックもご協力お願いします。

人気ブログランキング
人気ブログランキング

音楽評論ランキング
音楽評論ランキング

「#洋楽」人気ブログランキング 

| | | コメント (0)

2023年8月20日 (日)

ムード歌謡じゃありません

かすてら音楽夜話Vol.169

 

いきなりの「Europa」(邦題「哀愁のヨーロッパ」、1976年)、Santana(サンタナ)というバンドです。

今回はサンタナ関連のことを取り上げてみます。

Ms0027

サンタナというバンドは、この人、Carlos Santana(カルロス・サンタナ)が中心となったバンドで、デビューは1969年と古く、キャリア50年以上というレジェンドともいえるバンドですね。

カルロス・サンタナという人はメキシコ系アメリカ人ですが、家族とともに越境してきた不法移民でした(現在はアメリカ国籍を取得)。バンドのサンタナというと「哀愁のヨーロッパ」というイメージがつきまとうのですが、チャート上ではランクインしておりません。

ですが、上田正樹の「悲しい色やね」(作詞:康珍化 作曲:林哲司)なんてもろ、影響受けてますよね。確か、ムフフなB級映画のムフフなシーンでも効果的に使われていたような…。

そんなサンタナですが、苦節30年にして大ヒットアルバムがリリースされます。

 

この曲は、アルバム『Supernatural』からシングルカットされた「Smooth」(1999年)で、なんと、12週にわたってビルボードHot100の1位に輝くとともに、2000年のグラミー賞、Song of the YearとRecord of the Yearのダブル受賞を果たします。もちろんアルバムもAlbum of the Yearを受賞します。すごいですね。

サンタナの凄いところは、グループのメンバーがまことに多岐にわたり、サンタナ自身もひとりひとりのメンバーを把握してないのではないかというほどですね。もう、サンタナひとりいればあとのメンバーは誰が来てもバンドのサンタナ。無双状態です。

それほどのサンタナファンでもないワタクシも思わずこのアルバムを買っていたという、大ヒットアルバムでした。

さて、この「Smooth」をカバーするという日本人アーティストをご存じでしょうか。

 

知る人ぞ知るギター小僧(であった)野口五郎です。

残念なことに「愛がメラメラ」という余計なタイトルが付いていますが。

出自は演歌でデビュー後、2曲目の「青いリンゴ」でポップス路線に転向。長いキャリアの陰でコツコツとギターの腕を磨いていたのですね。昨年は桑田佳祐氏のプロジェクト、「時代遅れのRock'n'Roll Band」にひとり歌謡界から起用され、そこでもギターの腕を披露していました。

やや、画像がいまいちなのですが、貼り付け不可能な高音質・高画像版のリンクをつけておきます。

それにしても、この「Smooth」どこかで耳に引っかかるという人は、こちらをお聴きください。

 

つうことで、「きよしのズンドコ節」(2002年)でした。

オリジナルは「海軍小唄」ともいわれ、マイトガイ、小林旭からドリフまで幅広いヴァージョンが存在します。こちらはオリジナルやその他のヴァージョンと違って、若干の作曲(水森英夫氏)及びアレンジ(伊戸のりお氏)が加えられていますが、京平さんや哲司さんみたいに「確信犯」ではないような気も致します。でも、これ、本気で知らん顔して似せていたとすれば、大したもんだと思いますね。

さて、氷川きよし、今年の紅白にはどっちの組で出場するのでしょうかね?特別枠か…なんてね。

かすてら音楽夜話では、取り上げてもらいたい楽曲やグループ、バンド、シンガー等のリクエストを受け付けております。コメント欄でお知らせください。

バナークリックもよろしくお願いいたします。

人気ブログランキング
人気ブログランキング

音楽評論ランキング
音楽評論ランキング

「#洋楽」人気ブログランキング

「#jpop」人気ブログランキング 

| | | コメント (0)

2023年7月25日 (火)

達郎発言についての私的見解

かすてら音楽夜話Vol.168

Mj0043

山下達郎(以下達郎)が一部のメディア(主にネットニュース)でバッシングにあっています。

それは、松尾潔氏がスマイルカンパニーとの契約解除にあった件について、達郎が自身のラジオ番組、「サンデーソングブック」で釈明とも取れそうな発言をして、この中の一言がジャニー喜多川氏を擁護すると解釈されてしまったからでしょう。

いつもならばYouTubeの映像をお借りして、ワタクシの好きな音楽やミュージシャンの話をだらだらと展開する記事なのですが、ワタクシなりに達郎発言を解き明かしていきたいと思います。

ちなみに、ワタクシは山下達郎のアルバムをほぼ持っております。コンサートも複数回行きました。比較的好んで聴く人といえましょう。ですが、最近は遠ざかってまして、以下は旧Niftyserveのとあるフォーラムで知りえた情報も含んで記事にいたしました。

スマイルカンパニー

形式上は芸能事務所ですが、もともとは山下達郎のコンサート等のマネジメントを目的として、キョードー東京の資金援助を受け、芸能プロダクション、「ワイルドハニー」が1978年に設立されます。また、著作権管理を目的とした音楽出版社をスマイル音楽出版としました。1984年に山下達郎のRCA時代のディレクターであり、アルファムーンレコード(達郎が所属)の創業者、小杉理宇造氏が社長就任と同時に音楽出版社を「スマイル音楽出版」、芸能プロダクションを「スマイルカンパニー」に変更します。

小杉氏はその後、ワーナーミュージック・ジャパンの代表取締役会長に就任し、2003年にジャニーズエンターテイメント(レコード会社)代表取締役社長に就任します。ジャニーズエンターテイメントはKinKi KIdsのデビューに合わせて作られた会社ですね。

さて、松尾潔氏ですが、2009年に松尾氏の個人事務所が顧問料をスマイルカンパニーに支払う形で業務提携したようです。

スマイルカンパニーは大きなプロダクションではなく、所属のアーティストもかなり少なく、実質的には山下達郎と竹内まりやの個人事務所みたいなものだと思います。

それで、松尾氏がスマイルカンパニーで何をやってきたのかがさっぱり見えてこないです。おそらくは、松尾氏がプロデュースするアーティストや楽曲などを「スマイルカンパニー」の後ろ盾があることに利用してきたのではないかと思います。

スマイルカンパニーと業務提携でありながら組織のトップ同士が関係の深いジャニーズ事務所を批判すれば、提携の解除になるのは普通のこと。…というか、顧問料いらないから提携解消ということでしょう。松尾氏もEXILEとか三代目J.Soul Brothersなど(ワタクシの琴線にはまったく入ってきませんが)売れ線と仕事しているので、スマイルカンパニーとの提携解除は痛くも痒くもないはずです。

ジャニー喜多川氏の性的虐待

サンデーソングブックでの達郎の発言、「一方的な性的虐待についてはもちろん、反対します」、「ジャニー氏がそういうことをしていたのかは知らない」。特に後者について批判が出ているのですが。

達郎はジャニーズ事務所に入り浸っていたわけではなく、それこそ報道等でジャニー氏の振る舞いが漏れ伝わってきたことは当然知っていますよ。ですが、実際に現場を目撃したとか、ジャニーズ事務所所属のタレントから話をきいた、ましてや相談されたということはないだろうから、「知らない」というしかないんじゃないでしょうか。

我々がジャニー氏が怪しいというのは一部の報道や暴露本等で伝えきいてますが、直接見聞きしたわけではない、それと同じことですよね。

そのようなことならば、ジャニーズ事務所所属のタレントは古くはあおい輝彦、高橋元太郎(古っ!)など星の数ほどいますから、そっちで取材すればいいことです。ヒロミ・ゴーなんてよく知ってるんじゃないすかね。まあ、誰もが口をつぐんでしまうんでしょうけど。

そういうことは、ジャニーズ事務所自体の自浄作用が必要なのです。これ、ほとんどどこかの大手中古車会社と同じですよね。

もう聴いてもらわなくてもいい発言

やはりサンデーソングブックで、「私のこの発言を忖度と思われる方はそれで構いません。そういう方にはもう聴いてもらわなくても結構です」というものが、炎上しています。

スマイルカンパニーの著作権に対する考え方は、非常にシビアです。サブスクはないし、YouTubeでの違法アップロードはすぐさまチェックされ、削除されます。映像の販売もないと思いますね。

つまりは、スマイルカンパニーの楽曲を聴きたければ、自分で購入したり、コンサートに来いということなんですね。唯一ただで聴けるのが、サンデーソングブックくらい。あるいはタイアップで流れる曲を聴くとかで。でも、これも印税が発生するので、OKしているんですね。

1990年代に入ってから達郎のアルバムリリースはめちゃくちゃスパンが長いんです。7年なんてのはざらで、昨年リリースした『Softly』に至っては11年ぶりです。

コアなファンはそれでも待つし、離れていかないだろうという自負があると思います。それに、ヒットチャートを狙ってないし、武道館やドーム球場などの観客数は見込めるものの、音が悪い会場では公演を行わないという徹底したポリシーがあるので、世間で何が起ころうが、このままの姿勢を貫くんだと思いますね。

身内は徹底して守る

Mj0041

KinKi Kidsのデビュー曲、「硝子の少年」(作詞:松本隆 作曲:山下達郎)では楽曲提供者としてふたりにちょっとした歌唱指導を行ったようです。それはこのふたりにこれまでのジャニーズ事務所所属のタレントとは違うものを感じ、ある程度熱のようなものを伝えたかったからだと思います。近藤真彦にはそういうことはせず、ただの楽曲提供者という立場ですね。

ま、それはジャニー氏の「初登場(オリコン)1位」と「ミリオン(100万枚)」というかなり無理な要求もあったでしょう。

ふたりも昨年再び達郎に曲提供を頼んだほど。

達郎のコンサートに何度か足を運びましたが、バンド紹介で、ギターの佐橋佳幸(松たか子と結婚するずっと以前のことで、ほぼ知名度のないとき)のギターを誉め、「ギターデュオの山弦もやっていて、はっきりいってG(実名をはっきりいいました)なんかよりずっと上手い」と発言しました。

この時、サックス奏者、土岐英史氏の紹介では娘である土岐麻子がヴォーカルを務めるCymbalsをプッシュしてましたね。

また、これはどうかなと思いますが、竹内まりやがセルフカバーした「駅」について、アルバム『Impressions』でのライナーノートで、竹内まりやが提供した「有名なアイドルの曲の解釈のひどさに、これは是非ともまりやが歌うべきだ」と提案したとあります。このアイドルとは中森明菜なんですが、そこまでいっちゃうか、ですよね。ま、これも竹内まりやを立てたということなんでしょうが。

結論

達郎としては松尾氏の発言を受けて、なにもサンデーソングブックであのようにいわなくてもよかったのですが、コンサートのMCでも30分近く喋るし、興が乗ってくると、どんどん洒脱になってくるので、あのような発言が飛び出したのだと思います。黙っていられない人なんでしょう。

もうこれ以上の発言はないと思いますが、文春をはじめバッシングは続きそうな予感も。でも、本人はそんなに気にしてはいないと思いますが。

ところで、週刊文春、7月27日号、購入して読んでみたけど、ジャニーズの座付き作家ってなんだよ!そのほとんどの曲には松本隆もかかわっているんだぜ。それに、ジャニーズ関連の楽曲提供者は達郎だけじゃなくて、歌謡界の外にも星の数ほどいますし。また、アルバムリリースの長いスパンを「長い停滞」で「硝子の少年」で復帰したみたいに書いてありますが、その間にアカペラアルバムをリリースしたり、自身と竹内まりやのアルバムをRCA時代までさかのぼってデジタルリマスターしていたことには触れていない。というか、調べてもないんでしょう。

「ジャニー氏の性的虐待はけしからん。ジャニーズに数多く曲を提供してきてあれはなんだ?」という論調が透けて見えました。

「ミヤネ屋」とかでも達郎関連というか松尾氏に取材して取り上げたようですが。ほかに報道することあるだろ。テレビ局もジャニー氏の問題を取り上げる一方で、どーでもいい、ジャニーズ事務所のタレントを入れ代わり立ち代わりスポットを流しているというのは、やはり視聴率の問題なのかな。なんたって大河ドラマでさえ、俳優じゃなくて所属タレントを主役にするからねえ。

人気ブログランキングに参加しています。バナークリックしていただけると嬉しいでございます。さらには、コメントも待ってますので。

人気ブログランキングでフォロー

音楽評論ランキング
音楽評論ランキング

「#jpop」人気ブログランキング 

| | | コメント (0)

2023年6月14日 (水)

代々木にGUEENを見に行った

かすてら音楽夜話Vol.167

Jp1104

突如現れたアオザイ女子集団。

ここは代々木公園。去る6月4日(日)、友人のアニタツさんをお誘いしてベトナムフェスティバルに行ってきました。

と、いっても今回はバインミーやベトナムビールの333(バーバーバー)とは無縁の世界でございます。我々の興味は野外ステージで行われるライヴにあったのでした。

Jp1106

かといって、このようなベトナムアイドルに年甲斐もなく入れあげるということもなく、16時過ぎに出演予定のとあるバンドをひたすら待っていたのでございます。

そのバンドは、Gueen(グイーン)。なんだ、きいたことないぞという声も届きそうですが、あの「いかすバンド天国」(通称イカ天)に出演し、Queen(クイーン)の完全コピーを深夜のお茶の間に提供したという伝説のバンドでもあるのですね。

Jp1113

当時、イカ天はかなり見ておりました。ですが、土曜深夜の放送で、ほぼ2時間。中にはドイヒーなバンドもあるわけで、審査員が一新してからはあまり見なくなりました。それにひどく眠いし。んで、Gueenはワタクシがあまり見なくなってからの出演ということになったわけです。

また、イカ天が終了後、同じアミューズが企画した「えびす温泉」というやはり勝ち抜きのバンドオーディション番組が短期でしたが始まり、ここにやはりクイーンのトリビュートバンド、Kweenが出演していてひどく感銘を受けたものです。ヴォーカリストは男性のマイナス要素(ハ〇、デ△などなど)を兼ね備えていたのですが、歌が始まるとフレディそのものでした。ちなみに、「えびす温泉」に出場していたのが「知子のロック」でして、それ以来、トーマスさんとは親しくさせていただいております。

今回、たまたまベトナムフェスのプログラムを眺めていたら、Gueenを見つけたわけで、どうもGueenとKweenを混同していたようです。でも、代々木をウェンブリーにするというGueenの意気込みを買ってアニタツさんと2時間前に、野外ステージの真ん中後方の席をちゃっかりと確保したというわけですね。

この日は晴れ渡ってはいませんでしたが、じわじわと蒸し暑いような陽気でした。ちょっとビールでも買ってこようと、ステージを後にし、屋台に向かうと15分待ちなのではないかというくらいの混雑でした。タイフェスティバルよりも人出が多いと思いました。

これじゃしょうがないと、ワタクシが向かったのは通常の屋台ではなく、まるで人気のない常設の売店です。333は手に入りませんでしたが、スーパードライを1缶350円という良心的価格でゲットし、席に戻ったのでありました。ちなみに、この売店、ビアシンが置いてありました。値段は知らんけど。

Jp1112

さて、席に戻ってもなかなかGueenの出番はやってきません。

次々にベトナムアイドルが登場するのですが、気づくと席はかなり埋まっていて、なおかつ立ち見の人が溢れかえっております。こんなことは、タイフェスにBNK48が来たときよりもすごいことになってます。

アオザイ女子のパフォーマンスで、会場は大盛り上がり。気づくとさらに観客が増えてました。アオザイ女子のパフォーマンスはかなり押していてGueenの登場はさらに遅れました。時短とかやるなよなと心の中でつぶやきます。

登場シーンを動画に撮ってみましたので、ご覧ください。

 

こんな感じでございます。ベトナム人、これで盛り上がるのかと思いましたが、クイーンの楽曲は結構知っているようで、大うけ、大盛り上がりでした。

セットリストですが、「Bohemian Rhapsody」「Radio Ga Ga」「不明」「We Will Rock You」ラストが「We Are The Champions(邦題「伝説のチャンピオン」)」でした。時間短縮されないでよかったです。でも、アンコールがなかったのはちょっと残念。

Jp1118

こちらがヴォーカル。若い時のフレディを演じる時は髭なし、長髪でやるみたいです。

Jp1121

ブライアン役。かなりのギターテクを持った人ですが、最初出てきたときは思いっきり普段着なので、スタッフかと思ったくらいです。

Jp1120

ジョン・ディーコン役。この人を含め、全員がコーラスワークに長けています。コーラスについてはあらかじめ録音したものを同時に流すことも行っているようでした。これは、クイーンもライヴではやっていたことなのかな。

後方のギターはサポートメンバーです。レスポール使ってますね。

Jp1123

こちら、正式メンバーのようですが、実際のクイーンでは専属のキーボードは存在せず、フレディが担当していました。Gueenでもヴォーカルが弾くこともあるようです。

Jp1124

ロジャー役。実はこの人、佐橋佳幸がいたバンド、UGUISSのオリジナルメンバーで、後にチューリップにも参加(1985-1987)した松本淳氏なのでした。

ワタクシの撮った映像では不十分でしょうから、Gueen公式チャンネルから演奏をご覧ください。ちょっと長いですが。

 

彼ら、実はクイーンだけではなく、こんなものもやっております。

 

Bostonの「More Than A Feeling」の替え歌でした。

短い時間でしたが、堪能いたしました。本物のクイーンのライヴをフレディとジョン・ディーコンのいるうちに体験できませんでしたが、クイーンのトリビュートバンドとしてはフレディ・エトウ氏(Kweenのヴォーカル)のQueenessと双璧なんじゃないでしょうか。

Jp1126

スーパードライひとつで17時近くまで過ごし、その後、渋谷でアニタツ氏と祝杯を挙げたのでありました。

また、よろしくお願いします。

ところで、この日はベトナム・ダナンのホテル三日月と中継がつながっておりました。でも、藤井七冠の出演はなかったです。この翌日、ホテル三日月で棋聖戦の第1局が行われたはず。ま、出てこないよね。

かすてら音楽夜話では取り上げてほしい曲やシンガー、バンドについてリクエストを受け付けております。ぜひとも、コメントでお知らせください。もちろん、通常のコメントもお待ちしております。また、バナークリックしていただけるとありがたいです。

人気ブログランキングでフォロー

音楽評論ランキング
音楽評論ランキング

「#洋楽」人気ブログランキング 

| | | コメント (4)

2023年5月22日 (月)

Queenのターニングポイント

かすてら音楽夜話Vol.166

今回、何度目かのQueenを取り上げます。

Ms0016

見慣れた1980年頃のQueenです。

左から、Roger Taylor(ロジャー・テイラー:Drums)、John Deacon(ジョン・ディーコン:Bass)、Freddie Mercury(フレディ・マーキュリー:Vocal Keyboard)、Brian May(ブライアン・メイ:Guitar)という不動のラインナップです。フレディが唯一無二のヴォーカリストですが、ロジャー・テイラーが歌う曲もアルバム中にはあります。そして、全員が曲作りをします。

さて、クイーンというと誰もが認めるビッグな存在なんですが、デビュー時にはまったくメディアからは認められないバンドでした。

デビューは1973年のアルバム『Queen』(邦題「戦慄の王女」)でしたが、当初から多重録音による重厚なコーラスとたった4人による演奏とは思えない複雑な曲の展開などに、イギリスの評論家たちはそれまでのロックの概念から外れていたため、酷評されることが多かったです。しかし、翌年のセカンドアルバム『Queen II』の全英5位という結果に引っ張られるように、デビューアルバムのチャートインし、1976年に24位まで上昇するというロングヒットとなったのです。

クイーンもアメリカ進出を果たしたのですが、まだまだトップバンドとは認められず、人気に火が付いたのは日本だったのでした。

これは日本だけの話かもしれませんが、The Beatles(ビートルズ)の解散以来、第二のビートルズ、ネクスト・ビートルズを探し当てて、またひと山当ててやろうという風潮がレコード会社や興行会社…いわゆるギョーカイにはあったように思えます。

すなわち、イギリスから発掘してきたバンドをその座に据えようというような。

それが、Bay City Rollers(ベイシティローラーズ)などであり、売り込む対象はティーンエイジャーの女子です。レコードを売り出すだけじゃなくて、今でいう「ヘビーローテーション」(音楽番組などで集中的にその曲を流すこと)を行い、「明星」「平凡」にとどまらず、学習雑誌(「中〇時代」「中〇コース」などなど)にも、カラーページを掲載、果てはバンドを招聘し、本国でも演奏したことのない、武道館などのデカい箱でライヴを行わせたりしました。

なんと、その中にですね、クイーンも入っていたのです。クイーンファンもフレディがインド人でゾロアスター教徒であること、今でいうLGBTQであること(もしかしたら、当時はLGBTQではなかったかもしれませんが)も誰もが知る由もなく、長髪で髭もありませんでしたので、ドラムのロジャーとともに女子にキャーキャーいわれていたものです。

 

映像は1977年発売のアルバム『News Of The World』収録の「We Are The Champions」(邦題「伝説のチャンピオン」)でした。

こんな感じのライブ(映像自体はオフィシャルビデオで、オリジナルのシングル音源に映像を重ねたものです)をやっていたわけです。でも、フレディの衣装が身体にぴったりと張り付くタイツで、胸元が大きくあき胸毛が強調されております。フレディが過激になっていく前段階ともいえますね。

1970年代中期から始まったイギリスのバンドの日本における一大プロモーションはベイシティローラーズの人気の陰りもあって、すでに下火になっていました。クイーンもすでに「Bohemian Rhapsody」をリリースしていて、アメリカでも知名度は高まっていた頃ですが、まだ「絶対」という存在ではありませんでした。

ベイシティローラーズが「Saturday Night」でビルボード1位を獲得しているというのに、この曲でも4位止まり。その後も、ヌード女性が自転車レースをするというジャケットの話題作「Bicycle Race」等をリリースしていましたが、どうもぱっとしませんでした。

そこで、ある種の方向転換を図ります。

 

1979年リリースのシングル、「Crazy Little Thing Called Love」(邦題「愛という名の欲望」)です。

フレディをはじめ、全員がライダーズスーツに身を固め、50年代のエルビスを彷彿とさせるような曲調なんですが、これでついにビルボード1位を獲得しました(1位の時点では1980年)。

それにしてもすでにLGBTQになっていたと思われるフレディが女性に囲まれる映像というのもすごい。割り切り方といい、その点はプロです。

さて、この曲は1980年のアルバム『The Game』にも収録された、いわば先行シングルなんです。

トップの画像は、『The Game』からいただいたものです。撮影時点はこのシングルのころと思われます。このアルバム、クイーンがついにシンセサイザーを導入したことが話題になりました。先行シングルでアメリカに浸透したクイーンですので、次に紹介する曲もビルボード1位を獲得します。

 

「Another One Bites The Dust」(邦題「地獄へ道連れ)でした。

先行シングルの時点ではまだフレディに髭はなく、この曲(アルバムからのシングルカットは4枚目)ではもう立派な髭を蓄えております。曲を作ったのはベースのジョン・ディーコンで、これまでほとんどのシングルはフレディかブライアンだったのですが、彼もついに才能を発揮しました。

おまけ

さて、5曲のシングルが収録され、うち2曲がビルボード1位というお買い得のアルバム、『The Game』なんですが、こんな曲もあります。

 

「Don't Try Suicide」(邦題「自殺願望」)。…邦題、意味が逆ですわ。

これ、某氏に聴かせたいですわ。…おあとがよろしいようで。

かすてら音楽夜話では「お題」を募集しております。その際はコメント欄で知らせてくださいませ。モチベも上がるでございますよ。

また、人気ブログランキングにも参加しております。また、読みたいと思われたり、応援してくださる方はバナークリックをお願いいたします。


音楽評論ランキング

 

| | | コメント (0)

2023年5月 5日 (金)

ユーミンの「弟子」

かすてら音楽夜話Vol.165

Mj0019

閑話休題、1か月ほど音楽話から遠ざかっておりました。

他意はないのですが、旅レポがたまっていたからです。でも、そろそろ次の旅も迫っているということで、旅レポが終わりそうもなく、それをだらだら書いていても、書き手としても新鮮味がありませんので、当ブログのもひとつの柱、こちらも入れていこうと。

さて、画像のイラストはユーミンこと、松任谷由実なんですが、雰囲気出ていますよね。こちら、安西水丸画伯によるアルバム『Pearl Pierce』の中ジャケにあるものです。ど素人の絵じゃありません。

さて、タイトル「弟子」としましたが、職業作曲家や作詞家には弟子が存在します。元祖ニューミュージックともいえる、ユーミンが徒弟制度のようなことをしているはずもないのですが、それでも弟子といえそうな存在の方が数名おります。

Mj0026

<須藤薫>

最も有名な例としては、沖縄出身の麗美というシンガーを全面サポートしてデビューさせたことが知られています。ですが、彼女の活動は1995年を最後に途絶えております。

ま、わたしゃ彼女についてはほぼ知りませんので、この程度にとどめます。でも、旦那もサポートメンバーに加わり、ここまで厚遇した例は珍しいと思いますね。

 

ワタクシが押したいのは須藤薫なんです。音声のみですが、1980年リリースのアルバム『Surf & Snow』のバックコーラスに全面的に起用された人です。曲は「サーフ天国、スキー天国」です。

昨年リリースされた『ユーミン万歳』に収録されたもので、リミックスされているのでややオリジナルとは音圧などが異なりますが、須藤薫さんのユーミンを追うようなコーラスが印象的です。

残念ながら2013年にお亡くなりになってしまったのですが、ご健在ならば現在69歳。1954年1月生まれのユーミンより1学年下ということになります。

デビューは1979年の12月ということなので、遅咲きながらその実力を買われての起用ですね。その後もコンスタントにアルバムをリリースされていたのですが、ややブランクがあり、1999年に杉真理とのユニット須藤薫&杉真理を結成し、しばらく活動ののち活動が途絶えました。この時すでに病魔が忍び寄っていたものと思われます。

シンガーとしては大成功とまではいきませんでしたが、『Surf & Snow』で一躍注目を集め、その後の活動の糧になったことでしょう。

Mj0016

<JUJU>

もうひとりは、JUJUです。

この方、wikiでも長らく年齢不詳だったのですが、1976年生まれということがわかりました。

ワタクシが注目するようになったのはNHKで放送されていた旅番組、「世界はほしいモノにあふれてる」からです。三浦春馬と司会を担当(三浦が死去後からは鈴木亮平)していたのですが、番組でのボケ・突っ込み具合が絶妙で、なかなかいいキャラクターだなと思った次第です。

外見とは裏腹ですわ。

そんな彼女が昨年リリースしたのが、『ユーミンをめぐる物語』というカバーアルバムで、もちろん、全曲松任谷由実の曲が並びます。それにしても、ユーミン自身もデビュー50周年ベストアルバムが『ユーミン万歳』ですし、JUJUも「ユーミン」をタイトルに持ってくるというのはなかなかの力業ですわ。

 

つうことで、JUJUヴァージョンの「守ってあげたい」でした。

彼女、NHKの「SONGS」でもユーミンへの思いを深く語っていたんですよね。にしても、「錦鯉」が出てくるとはね。

そして最後は。

 

一十三十一(ヒトミトイ)の「Flash of Light」でした。

この人、ユーミンとのかかわりはほぼないと思われます。

音のつくりもユーミンとは全く異なりますが、この声ですよ。もう間違いなくユーミンを意識してるでしょ。こりゃ、ユーミンの弟子認定ですわ。

曲もミュージックビデオもシャレオツそのもの。途中水着着用の一十三十一も出てくるんですが、このあたりも元祖であるユーミンを意識しているかな。

なんとですね、40年近く前になりますけど、ユーミンもプロモビデオの中で、レオタード着用で歌うシーンだってあるんですぜ。曲は「Destiny」だったかな。それに、葉山マリーナだったかのライヴでは水着でずぶぬれになって歌ってるんですぜ。今じゃ考えられないですけどね。

こんな3曲いかがだったでしょうか。当ブログではアーティストや曲のリクエストも募集しております。コメント欄でその旨、お伝えください。バナークリックで応援もよろしくお願いします。


音楽評論ランキング

| | | コメント (0)

2023年4月 3日 (月)

星になった「教授」

かすてら音楽夜話Vol.164

Mj0039

まさかのニュースが流れてきました。通常更新を変更して急遽書きました。

詳しくはメディア等の報道がありますので、省略したいと思いますが、Yellow Magic Orchestra(YMO)の3人のうち二人が相次いで亡くなるなんて。

残された細野晴臣さんにしてみれば、自分より年下の二人がこんなことになるなんてと思っているでしょう。

教授の功績としては、YMOをはじめとし、ミュージシャンのみならず、俳優としても活躍されました。

今回は2曲ほどを紹介しつつ、哀悼の意を表したいと思います。

 

1982年の忌野清志郎とのコラボ曲、「い・け・な・い・ルージュマジック」(作詞作曲:忌野清志郎、坂本龍一 編曲:忌野清志郎、坂本龍一)でした。

やや軽めですけど、当時の資生堂春のキャンペーンソングでオリコン1位を獲得しています。ちなみに、前年の資生堂のキャンペーンソングは、松原みきの「ニートな午後3時」でして、ライバル会社カネボウのキャンペーンソングは当時の奥さんであった矢野顕子の「春咲小紅」でした。

また、YMOとして、翌1983年に「君に、胸キュン」をリリースしており、こちらがカネボウの春のキャンペーンソングとなっています。

 

もう1曲は、YMOのアルバム『Solid State Survivor』収録の「Behind The Musk」(作詞:クリス・モズデル 作曲:坂本龍一 編曲:Yellow Magic Orchestra)でした。

この曲は、マイケル・ジャクソンやエリック・クラプトンなどの大物もカバーしています。

とりわけ原曲に忠実なのがこちら。

 

斉藤和義のアルバム『55 Stones』のオープニング曲です。これをほぼひとりでの多重録音で演奏してます。テクノというよりはギター中心で再現してみましたというものですが。

斉藤和義はコロナ禍になってからリリースしたアルバム『202020』のオープニングでもギターインストゥルメントの「傷だらけの天使」をカバーしてますね。

天に召されてしまった教授ですが、幸宏さんや清志郎とコラボしてるんだろうなあ…。合掌。

人気ブログランキングに参加しています。記事が気に入りましたら、バナークリックお願いします。コメントやリクエストもよろしくです。


音楽評論ランキング

 

| | | コメント (4)

より以前の記事一覧