<アマラプラ>K-7/DA21mm
上座部仏教で頻繁にみられる行為が、タンブンと呼ばれるものです。徳を積むことで前世から引き継いだ悪い行為を清算し、今はダメでも来世につなげるものといっていいでしょうか。
<ルアンパパーン>K-7/DA21mm
上座部仏教では僧侶は現金収入を得られず、食事は人々から喜捨してもらいます。これが、托鉢ですね。ま、ほとんどすべての寺院では毎朝托鉢に出ますが、アマラプラのように篤志家から食料を毎日寄進してもらい、托鉢に出ないこともあります。でも、これは特殊なケースですね。
<アユタヤ>KP/DA18-50mm
托鉢では僧侶は裸足になり、食べ物をもらう鉢を抱えて、一定の順路を回ります。人々は食べ物を差し上げることで徳を積むことになります。
最大のタンブンは僧侶になるということでしょうか。上座部仏教では男性は一度は出家することになっているそうですが、女性は出家できないんです。たまに、ピンクの袈裟を着たメーチーと呼ばれる尼僧がいますが、正式には僧侶ではなく、上座部仏教に寄り添って生きる女性ですね。
で、出家できない女性は息子を出家させたり、出家するほうも母親の徳を積むことがわかっているので大っぴらに拒否しないようです。托鉢の時、食べ物を差し上げるのも女性が多いですね。
<コンケンの寺院>KP/DA18-50mm
直接現金のやり取りをするタンブンもあります。このように仏像の前に小さい鉢を並べ、ここに小銭を入れていくのです。タイではほぼ使われなくなっているサタン硬貨(100サタン=1バーツ)を使いますが、ちゃんとサタン硬貨に両替できるようになっています。これはやったことがあります。
さて、この賽銭のような現金収入はどこに消えるんでしょうか。寺院の修復費用などに充てられるんでしょうか。人気のある寺院ではこの額もばかにならないと思いますが、小さな寺院ではほとんど集まらないような気がします。
ちなみにラオスでは現金は紙幣のみなので、この習慣はないように思いますが、はっきり確認が取れていません。誰か、ラオスに行ったときに見てきてほしいものです。
ミャンマーではチャットのコインはあることはあるそうですが、すでに流通してないそうで、コインを投入する行為はもしかしたらタイだけかもしれません。その代わり、寺院などに出向くと、誰それがいくら寺院に寄進したなどという碑があったりします。
<金箔貼り>K-7/DA50-200mm
これもまたタンブンでしょうか。金箔を買い、仏像に貼り付ける行為です。世界の最貧国ともかつていわれたミャンマーでは金箔の生産がかなり盛んです。また、ヤンゴンのシェダゴォンパヤーでは仏塔にダイヤモンドやエメラルドがちりばめられているといいます。その資金はどこから来たんでしょう。信仰というものはすごいものですね。
<アソーク近くのご利益像>K-7/DA50-200mm
タイでは寺院でなくても街角などにご利益のある像が並んでいたりします。これは必ずしも上座部仏教のものではなく、エラワンの象(の像)のように、ヒンドゥの影響を受けたものも多いです。
ガネーシャが商業の神であったり、ここで拝むと願いが叶うなど、その後の口伝えで広まっていったものも多いです。チットロム伊勢丹前のいくつかの像も人気があります。
<伊勢丹前>K-7/DA15mm
こんな風に花などを供えます。このあたりになってくると、タンブンというより願掛けみたいになりますが。
<毎朝のお決まり事>K-7/DA50-200mm
タイならどこにでもある、サンチャーオという祠です。ここに毎朝、食事を運びます。誰が食べるというと、神々の食事なんですね。こちらのほうがタンブンに近いものがあります。
これも、上座部仏教というわけでもなく、ヒンドゥなども入り混じり、地母神信仰と結びついたものですね。
バリ島でも同じようなことが行われています。といって、インドでは街中で見るようなことはありませんが。
<川に放す魚>K-7/DA21mm
寺院に行かなくてもタイ人はタンブン好きです。川や池のある所では各種魚や亀を放ちます。自然に帰すことで徳を積むことになりますが、ここではタンブン用の魚類や鳥などを扱う人たちがいて、立派な商売になってますね。
<鳥を放つ>K-7/DA50-200mm
ま、タイ人は何かにつけてタンブンするようです。走行中のバスの運ちゃんも、ある廟の前に差し掛かるとハンドルから手を放し、素早く祈ることもあるとか。
日本人はそれを見て写真に撮ることくらいしかできませんが。
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